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燃え尽きた灰の塊を抱いて。

小学校の低学年の頃から何事にも意見を持ち、学級委員とか立候補。

間違ったことやズルいことに嫌悪感を抱き、常に正しい方向へ導こうとする。

正義感が強かったから、いじめに合うことも多々あった。

友達は、いわゆるクラスの中心人物よりも、どこか輪に入れない日陰者のような子が多かった。

社会人になっても、それを続けていた。

自信を失っている人に、気力を与え。
新人には現実の厳しさと、その乗り越え方を教え。
苛立っている人の愚痴を聞き、心を鎮めた。

そんな「お日様」のような人生だった。

・・・だから、散々利用された。

どんなに困難な状況でも対立勢力と果敢に交渉し、時にはあっと驚く発想で課題を解決した。

丁寧な人付き合い、論理的な思考、やり切る熱意。

それらは全て、特定の人物の「出世」の糧になってしまった。

やがて「お日様」は燃え尽き、灰のような塊しか残らなかった。

光がなくなった場所には、長い長い夜が訪れた。

灯りがなければ、動けない。
灯りがなければ、何も育たない。
影のない世界は、あらゆる物事が止り、静かに時間だけが流れるだけ。

終わりだと悟り地に伏せたとき、暗闇の夜空に浮かぶ赤、白、青、黄色に気づいた。

決して手がすぐには届かないけど、いろんな輝き方をしている星たちが、そこには無数に広がっていた。

だから、新しい場所を照らすためにその光を求め、飛び立つ。

灰になった塊を崩さないように、そっと抱いて。

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