![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/97909189/rectangle_large_type_2_4adc74cdd9880886cf87e7162644c181.png?width=1200)
燃え尽きた灰の塊を抱いて。
小学校の低学年の頃から何事にも意見を持ち、学級委員とか立候補。
間違ったことやズルいことに嫌悪感を抱き、常に正しい方向へ導こうとする。
正義感が強かったから、いじめに合うことも多々あった。
友達は、いわゆるクラスの中心人物よりも、どこか輪に入れない日陰者のような子が多かった。
社会人になっても、それを続けていた。
自信を失っている人に、気力を与え。
新人には現実の厳しさと、その乗り越え方を教え。
苛立っている人の愚痴を聞き、心を鎮めた。
そんな「お日様」のような人生だった。
・・・だから、散々利用された。
どんなに困難な状況でも対立勢力と果敢に交渉し、時にはあっと驚く発想で課題を解決した。
丁寧な人付き合い、論理的な思考、やり切る熱意。
それらは全て、特定の人物の「出世」の糧になってしまった。
やがて「お日様」は燃え尽き、灰のような塊しか残らなかった。
光がなくなった場所には、長い長い夜が訪れた。
灯りがなければ、動けない。
灯りがなければ、何も育たない。
影のない世界は、あらゆる物事が止り、静かに時間だけが流れるだけ。
終わりだと悟り地に伏せたとき、暗闇の夜空に浮かぶ赤、白、青、黄色に気づいた。
決して手がすぐには届かないけど、いろんな輝き方をしている星たちが、そこには無数に広がっていた。
だから、新しい場所を照らすためにその光を求め、飛び立つ。
灰になった塊を崩さないように、そっと抱いて。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?