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あなたに、なりたかった。

なんでもできるあなたが、羨ましかった。

卒業式が終わった後のボーリングでも。

久しぶりに再開した同窓会でのカラオケでも。

口を開けば卓越なお酒の知識や、投資の話でも。

勤め先が一流なのに、独立する話でも。

マイホームに、我が子の写真に、うつつを抜かしても。

追いつこうと必死に努力をしたけど、あなたはいつも先を行く。


だから、会うたびにムカついた。

だから、一つくらい分けてほしい。

世の中はもっと平等であるべきだから。

そして手に入れたのは、悲劇にまみれたあなたの顔。

ワタシの自由と引き換えに。


なんでもできるあなたが、羨ましかった。

一つくらい、分けてほしい。

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