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もっと自分のために生きていい。
「好意の返報性」という言葉を知った時、私の中では明らかな否定的意見がこみ上げた。
なぜなら、最初から好意が返ってくることをアテにしている人が、世にはいるからだ。
・・・それが、実の親であろうと。
愛情をかけて育てることは、甘やかすだけじゃない。
時に叱り、時に嘆き、時に鼓舞し。
あらゆる感情を駆使して、人として正しい方向へ導く。
そんな熱意も、愛情だと思う。
私も、それらの感情をぶつけられて、育てられた。
その熱意に応えようと、結果を残すように努力した。
しかし、望ましい結果は残せなかった。
そして、肩を落としている私は蔑まれた。
お金も時間も愛情もかけていたのに、と。
私よりも遥かに、実の親が落胆していた。
それまでの人生は親にために生きていた。
そう気づいた私は、慣れ親しんだ家を飛び出した。
それからずっと、親の意見は聞かなくなった。
次第に、結果の出せない単なる腫れ物になった。
だけど、ようやく自分のために生きていけるようになった。
今だに他者の評価は気になってしまうけど。
誰の期待にも応えなくていい、自分の内なる目標に少しでも近づけたらそれでいい。
そう思える毎日が、楽しく感じるようになった。
みんな自分のために生きていい。
たとえそれが、親子であっても。
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