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連載記事|#3 テンポよく活動を進める事務局となるコツ。

多くの組織で必ず存在しているであろう「事務局」という立場について、そのメリットや魅力を4回の記事に分けて紹介します。
この記事は連載記事となっております。トップページはこちらになります。


2.事務局として乗り越えるべき壁


事務局を頼まれたので渋々なってみたものの、何をしてよいかわからない。
前任者がいたとしても満足な引き継ぎができなかったり、逆に前任者のペースで段取りが決まっていたりで、不自由だらけの状況からのスタート。
そしてメンバーともぎこちない関係から始まるため、どのような振る舞いをすればよいかさっぱりわからず。

そう、事務局って、一番高い壁が一番最初に訪れるものです。

手探り・体当たりで進めるのも良い成長の機会となりますが、少しでもスムーズに壁を乗り越えたいなら、以下のようなポイントを意識することが良いです。

✅非協力的な勢力が圧倒的に多い(と思うこと)

まず一般論として、自分を追い込まない為に大事な思考として、少しネガティブな想像・想定をします。

例えるなら、事務局をやるにあたってメンバーの大半が非協力的・否定的な勢力であると想像することです。

なぜそんな想像する必要があるのか?

それは、一定の味方を作る(もしくは全メンバーと仲良くなろうとする)ことは悪手となるからです。
事務局は中立的立場を求められており、仲良し関係を構築するとすぐに「チーム内の偏り」が発生する元となります。
そうなるとチーム内の派閥のようなものが出来上がってしまい、まとまりを得ることが難しくなります。

仲間外れや孤独から脱出しようと、メンバー内につい味方を探しだしてしまうこともあるかもしれません。
しかし残念ながら、事務局が味方を得ようとする行動は反対勢力を確実生み出してしまいます。

ですから、大半のメンバーは非協力的な勢力であると想像しておくことで、「孤独が当たり前」と思いながら任務当たるほうが効率的です。

✅お願いだけでは進まない

事務局に与えられた一番の目的はその組織・団体・チーム内の課題解決を促進することです。

とはいえ、前節で「事務局は主人公でない」と述べました。
つまり、課題解決はメンバーが担い手となります。

ということは、
「〇〇さん、現状把握をお願いします」
「△△さん、次回までに対策案の提出をお願いします」
など、お願いをすることばかりになります。

実際、事務局は他人にお願いばかりする役割がほとんどです。

・・・ところが、多くの人が経験したことがあると思いますが、お願いばかりしても中々物事は前に進みません。

むしろお願いばかりで申し訳ない気持ちが沸き起こり、あまつさえ自分で作業に取り掛かる人も珍しくないでしょう。

このパターンに陥ると、ますますあなたは忙しくなる一方でしょう。
そして、その努力も虚しくチームの成果は全くと言っていいほど出ないと断言できます。
なぜなら、個人の努力で解決できない課題があるからチームが作られ、事務局が設置されているからです。

では、

  • お願いしないと進まない

  • お願いしてもやってくれない

この相反した状況をどうやってくぐり抜けるかが、事務局としての一番のポイントになると思います。

✅30%だけ身を切る

「Give&Take」
の理論は数多くのビジネス書で登場しています。
その理論を元に行動できるかが、事務局として成功の分岐点となります。

前項で、お願いすることのジレンマを説明しました。
それは、「100%お願いする」という前提に立った話でした。
すでにお気づきの方もいるかと思いますが、このお願いの割合こそ一番の勘所となります。

私の経験上、「70%お願いする」ことが一番ちょうどよい感じです。
とは言え数値に具体的な意味はありません。

例えば、現状把握をお願いする時、調査の水準(項目)は自分で考えて提示する。その項目に基づく情報提供のみお願いをし、まとめも自分でやる、といった感じです。

もう一つ例えるなら、5つの解決策が決まったなら、2つは事務局が実践し、残り3つはメンバーにお願いする、といった感じです。

とても単純な話ですが、事務局という立場になると案外こういった「作業分配」ができず、0か100かの思考に陥りがちです。

  • 事務局は主役でない

  • 事務局の個人プレーでは解決できない

  • チームとして、メンバーが課題解決へ取り組まなければならない

などの前提を理解すれば、そのように振る舞う意味が分かると思います。


✅活動のテンポを良くする納期の決め方

お願いの「作業分配」ができたなら、あとは作業の目標と納期設定が事務局の大きな役割となります。

ここでのポイントは、大げさにしないことです。

逐一お願いするのが面倒だからといって、アレコレ作業や項目を洗い出し、夏休みの宿題のように一括して(まとめて)作業を提示するやり方はチームが停滞する原因となります。

一つの作業量は少なく、かつ納期も短めにすることで、メンバーの負担を軽くすることが大事です。
そうすると、自然に活動のテンポが良くなります。

次節でも述べますが、事務局とのやり取り回数が多い(テンポが良い)だけでチームの雰囲気が良くなります。
たとえ、作業が遅れていたり成果が思うように出ていなくても!

長期的な課題でも、
簡単なお願い→テンポよく終わらせる
というサイクルを生み出すことを意識してみてください。

次節は、いよいよ事務局として良いアウトプットを出す方法について紹介したいと思います。



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