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転職エージェントにすら相手にされなかった職務経歴の私だからこそ、稼げない副業を続ける理由。

転職エージェントですら言葉を失った私の職務経歴書。
通常であれば「職務経歴書」と「志望」を元にエージェントが求人を探してくれるのだろうが、私の場合は最初から断言された。

『・・・最近人気のプログラマーとか、新しい事にチャレンジするのはどうでしょうか?』

エージェントが悪いというわけではない。

単純に私が、転職の価値が薄い人材だったというわけです。


と、今回は、そういった状況からどうやって脱出したのか?
そもそもそういった状況に陥らないようにするには?
の二つの視点から体験談としてまとめます。

1.空っぽな職務経歴


転職活動としてのそもそも論が間違っていた可能性も否定はできません。

  • 転職サイトは3社掛け持ち(1社だけハイクラス系)

  • 国家資格は公害防止管理者(水質)のみ

  • 環境+SDGsの推進や企画業務を志望(職種分類にはない特殊系)

  • 業種はこだわりが無いが勤務地だけは現住所近郊

  • 年収は現状維持

主に上記のような条件を提示していた(記事として公開できる範囲です)。
そんな条件じゃ無理だよ、という声も聞こえてきそうだけど、少なくとも活動開始の時点では自信がありました。

なぜなら、職務経歴には、15年間環境企画業務に携わり「社内では」歩く辞書としてキーパーソンに任命されていたことを書いていた。

しかし、これが一番マズかった。
書き方うんぬんの話ではなく、15年も勤めていて明確な成果や実績が無かったからです。
それは色んな書き方の事例を見て、それらの事例と明らかに見劣りしていたから直感的にダメだと感じていました。
(●●のプロジェクトで◆◆を50%達成した、などの実績が全く書けない)

つまるところ、「会社人」として育成された慣れ果の姿というのが、まさに私のことだった。

そんなんだから三年間の転職活動で4社ほど応募したが、一度も書類選考を通らなかったし、自分の経験を活かせる求人すら紹介されなかった。

がんばって文字を埋めた職務経歴は、実は空っぽだったのである。

2.職務経歴が空っぽだった原因


私の職務経歴が空っぽだったのはなぜだろうか?
単一の原因ではなく、複数の条件が絡み合っていたと思うので、分解してみます。

1)初の大卒入社だったこと

私の会社は製造業なのだが、当時所属していた部署は高卒(現業系)の上司しかいない間接部門だった(他の部署は大卒がたくさんいた)。
そのため、大卒としてどういう育成をすべきかなんて誰も知らなかった。
だから最初の3年間はほぼ現業系の仕事をしていた。
いつも作業服は汚れ、工場(製造現場)の廃棄物低減や省エネ活動に混ざっていた。ただ、大卒だったので「直接的な作業」に加わることはNGとされていた。

手を汚さず、そばで見ているだけ。

同期が実績を積み上げていく中、現場観察に終始した3年間だった。

2)後輩が断続的に入社してきたこと

私の入社をきっかけに、大卒の後輩が毎年配属された。
恐らく8年=8人は続いた。
当然、仕事の担当範囲が渋滞する。
加えて、私より実践的なスキル(電気系や化学系)を持った後輩も多かったので、私は技術的・最前戦的な仕事からどんどん距離を置かれた。

後日談だが、その経験をたくさんした後輩たちの6人は転職(退職)してしまった。

入社7〜8年目の頃には、直属の上司の管理業務の代わりを務めることが多々あった。
大舞台での会議報告や事務局業務も相当経験したので、場の仕切りが上手い、妙に達観したコメントをするなど、30歳にして「おっさん」的な落ち着きを得る事になってしまった。

しかし、さらに上層の上司たちからは「実務はできず口だけが上手いやつ」「頭でっかち」などという不名誉な評価を受けることが多かった。

無論、実務経験をたくさん積んだ後輩たちは、すこぶる評価が良かった。

3)育成方針が不明瞭であったこと

こうして儲からない副業として活動したきっかけにも繋がっているが、社内のキャリアプランなるもの作成するよう、各部に指示が出た時のこと。

私のような実務担当者に「管理職が育成方針説明をする」という流れで展開されていた。
同期からも、人事部の友人からも情報や反響を聞いていのだが、直属の上司から私には一切説明がされなかった。

当時の上司を詰め寄ると、「もう人事部に提出した」と言われた。

「説明はしないのか?」と尋ねた時、

「育成方針なんて当事者は知る必要がない。管理職の仕事に口出すな」

と言われた事を今でもはっきり覚えている。2018年だった。
結局、職場としてどういった育成がされるのかは最後まで謎だった。
それと同時に、「この職場はヤバい」と気づいたタイミングでもあった。

入社から12年が経過していた。

4)入社以来10年以上も直属の上司が変わっていなかったこと

これを知人に話すといつも驚かれる。
これまでの話で出てきた「直属の上司」はすべて同一人物である。
入社以来、ずっと上司が同じだったのだ。

直属の上司はとにかく「プレイヤー」だった。
管理職なのに管理業務が全くできなかった。
もしかするとそれは私が管理業務を多量に引き受けていたせいかもしれない。
仕事上の二人の組み合わせは悪くはなく、むしろ良いコンビと認識されていた。これは推測だが、直属の上司が私を手放さなかったのではないかと思っている。

感謝すべきこともあるのだが、その上司の考え方に染まっていた嫌悪感のほうが遥かに勝る。
年数はもとより、「入社以来」というのが気持ち悪い。

これが職務経歴にどう関わるかというと、あまり論理的な説明はできない。
ただ、担当していた業務は直属の上司の管理下だったので「毎年ほとんど同じ」だったこともあり、単純に行数を分けて書ける情報量が少ない原因にはなったと思う。

5)実務経験ゼロの資格の取得

冒頭で書いた「公害防止管理者」という資格取得が、業務目標に設定されていた。
排水処理施設の設計などの登竜門となる技術系の国家資格で、合格率は25%程度だった。

ただし、仕事には全く活用されなかった。
1)でも述べたとおり、大卒なので現場作業への手出し無用だったこと。
2)でも述べたとおり、後輩が連続的に配属されたので技術仕事が全く回ってこなかったこと。
これら2点が、いわゆる「ペーパー技術者」になった理由である。

転職活動でも保有資格として記載はするものの、「実務経験はなし」となるためかなり不利になる。
この資格を条件に求人を探すとヒットするが、それらはすべて設備設計のエンジニアや施工管理などである。
もちろん募集側も私側も、「実務経験なし」では応募する意味がまるでない。

ちなみに取得には7年を要した。
実務経験を通じて理解している人はこれほど苦労しないと思う。
私は実務経験をせず教科書のみで資格取得に挑戦していた。
仕事で活用しない資格取得を評価指標の一つにされていたから、中々合格できない状況に毎年「×」をつけられて苦しんだ。

3.転職が目的ではない


1)〜5)を通じて、職務経歴が真っ白となってしまった原因を列挙してみました。
やや「不幸な目線」で書いてはいますが、良かった事もたくさんあります。
あくまで「転職活動では不利だった」という趣旨の記事であることを理解して下さい。

そしてそれら不幸な嘆きで終わるつもりはありません。
私のように「真っ白な職務経歴」に陥らないようなポイントと対応策を挙げておきます。

1)転職する理由と自分の状態を一致させること

一番肝心で、一番難しいことなのだが、転職する理由というのは自分に対して一番正直であってほしい。

  • お金を稼ぎたい

  • 嫌な人間関係から離れたい

  • 新しいスキル・キャリアを得たい

理由は人ぞれぞれだけど、それらの理由と今の自分状態を整合させておいてほしいと思う。

例えば嫌な人間関係から離れたい場合、年収UPや新しいスキルアップという転職条件は諦めなければならない。一石三鳥の転職活動はまずもって上手く行かないと思う。
ましてや、転職先で再び新たな嫌な奴と遭遇する確率もゼロではない。
(嫌な奴の下から人が退職する→求人が出される、という負のロジック)

むしろ転職するよりも先に、今の自分の状況を改善できる別の手法も探ってみるほうが良いかもしれない。かなり難易度は高いが、社内異動の申請なども根気よく行うことも大事だと思う。
実際私も、異動によって転職衝動が相当抑制されました

お金やスキルを新しく得たいという場合も、いきなり今の状態から「レベルアップした環境」はまず得られない。
転職サイトを覗くより、自分棚卸しをして得意分野をどうやったら伸ばせるか?新しいスキルをどうやって得るか?考えるほうが先決だと感じる。

そこから資格や実務経験をカジッて、転職活動に挑む。
そうすれば、職務経歴が志望する条件と一致してきて、転職や求人探しがスムーズに行くと思う。

2)職場にはキャリア構築を期待しないこと

これについては、先日記事を書きました。
よろしければ下記の記事も御覧ください。

3)今の職場の状況を冷静に見極めること

職場への不満というのは常にあると思います。
しかし、仕事内容や上司が合わないと感じていたとしても、その経験が有益である可能性も多々あります。
(今回の私とは真逆なパターン)

辛い仕事だったとしても、設計、営業、経理、人事、法務やITなどは転職には非常に有利な経験です。
加えて、ミッション(成果)も明確で、自分がやってきたことを職務経歴として書きやすい側面もあります。

若くして管理業務に浸ってしまった私にはミッション(成果)がなく、決められたことを淡々とこなす・・・しかもその決められたことは世間一般業務ではなく会社の独自・任意活動だった為、社会的な評価は皆無でした。

職場を冷静に見て「価値があるか」と判断することは大事だと思います。


これら3つのポイントをまとめると、
転職する時に職務経歴を書くのではなく、そもそも自分棚卸しの一部として書く。
そして出来上がった職務経歴を見て、自分が求める今後の展望や条件と一致しているか確認する。
不一致ならば、会社に一切期待せず自助努力で一致させる。
それまでは転職活動をしないほうが無難だと思います。

私はものの見事に、「転職できない残念人材」であると実際に恥を晒しました。職務経歴の書き方うんぬんのレベルではなかったのです。

余談)今の私の置かれている状況


さて、こんな状況の私が何をしているか?

職務経歴が真っ白な事には変わらない為、今後自分がどういったスキルを持ってお金を稼ぎたいのかを真剣に考え抜きました。
今は全く儲かっていませんが、それを「副業」と称して日々鍛錬(経験)を積んでいます。

会社員として実績を積めなかったことを恨む気持ちも、少しだけあります。
けれどもその気持は、副業をがんばるぞ!というモチベーションにも繋がっています。
職務経歴が真っ白だからこそ、これからの自分に夢を持てるのかもしれませんね。

転職について悩んでいたり結果が出ない方、職務経歴に向き合ってみてはいかがでしょうか?

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