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人は案外続けることが出来ない

 経済界であれスポーツ界であれ、世の成功者に成功した理由を聞くと、運が良かっただけと答える一方で、成功するまで続けただけとも言う。

 もちろんこれは言葉の綾で、成功した人だからこそ言えること。
 万人が「続ける」だけで成功するかと言えば、そんなことはない。成功出来るのはほんの一握りの人だけであるのは自明だ。みんながみんな成功者だとしたら、誰も成功者にはなれないから。全員が金持ちだったら、誰もあなたのことを金持ちと言ってうらやむことはない。

 それでも、成功者たる人が、ひとつのことを続けることを出来たのは称賛に値することだ。同じ人であっても、続けていなかったらその道には達しなかったのだから。

 どんなに小さなことでも良い。
 出来るようになるまで続けるという経験を積むことで、少しずつ大きなことに挑戦しようという意欲が湧いてくる。
 ジグソーパズルでも良い。円周率を覚えることでも、そろばんの暗算でも良い。続けることで「出来る」ようになることを、経験するのが大切だ。途中で簡単に諦めないというのを無意識に出来るようになることが重要だ。
 そうやって(比較的簡単なことを)出来るまで続ける訓練をすることで、より大きな目標達成にも滅気ずに取り組める(可能性がある)。

 少し手を付けてみただけで、私には向いていない、センスがない、もっと上手い人が沢山いる。そんな言い訳をして自ら途中下車をしてしまう人が大半だ。
 出来るまで続けるということをしない人は案外多い。
 そのことは、成功者が成功するのを助けることになってもいる。気付いたら周囲の皆が途中であきらめて自分だけが乗車していたら、その時に乗車していることが成功の条件なのだとしたら、それだけであなたは成功者になれるのだから。

 人よりも長く続けて実績を積めば、少なくともその分野の専門家にはなれる。世界一の専門家でなくても良い。ある程度の専門分野を増やし、複数の専門分野にある程度けていれば、かなりの専門家になれる。
 カレー評論家であれば、カレールーに詳しいだけでなく、米にも詳しい方が良い。インドやパキスタンなどに詳しい方が良い。日本のカレーの歴史も知っておいた方が良い。調理法はもちろん、カレーが美味しい気候についての蘊蓄うんちくがあればなお良い。こうやって、ひとつの専門分野でも複数の「詳しさ」を持ち合わせていた方が有利になる。

 何か興味を持ったことをひたすら続けてみるというのを、一度試してみたらどうだろう。

おわり


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