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仕事はクリエイティブに

 コンビニやファストフード、ファミレスなど、いわゆるマニュアルで決められた接客をするのが当たり前になったこの時代、キャッチボールが出来ない人が増えた気がする。

 スーツなどを着て事務をする仕事をしている人々限定の話だが、決められた作業を速やかにこなし、ボールを持つ時間を極力少なくすることだけが仕事だと思っている。
 それのどこが悪いのと大半の人が思ったのではないだろうか。そうだとすると、悪いどころか、仕事ができる人になろうとすればするほど仕事ができない人になっていくだろう。
 ボールを手放す早さを追求しているだけの人は、キャッチボールではなくドッヂボールになっていないか時々確認してみたほうが良い。
 相手の取りやすい球を投げるのがキャッチボール。相手が取れない球を投げるのがドッヂボールだ。
 
 仕事観はそれぞれだから強制するつもりは全く無いが、仕事はクリエイティブな要素が多くなるほど面白くなる。気が付いていない人も多いが、どんな仕事にもクリエイティブな要素がある。
 クリエイティブな仕事は誰かのためになる。だからクリエイティブな仕事は、そうでない仕事に比べて仕事としての価値が高まる。
 ここで言うクリエイティブな仕事というのは、職種や職業の話ではない。仕事の仕方や取り組み方の話だ。

 どんな仕事でも人との関わりがない仕事はない。人が千差万別である以上、対人対応の仕方は人の数だけある。
 取引上の立場を利用して偉ぶったり、地位をかざして強気な対応をするようなことを言っているのではない。
 関係者皆にメリットがあって、気持ちよく仕事を遂行するための接し方の話だ。
 仕事の大半は目に見える関係当事者だけで完結することはない。どこかで何かと繋がっていて、社会全体を覆い尽くしているものだ。だから、少なくとも目の前の人に対して、取りやすいボールを投げようと心掛けることはとても大切なのだ。

 そんな理想的なことばかり言って、相手が最初からキャッチボールではなくドッヂボールのつもりだったらどうなのか。これもよくある話。
 それでも、あなたが投げるボールはドッヂボールにしない方が良い。相手がムキになってあなたのスネの辺りに速い球を投げつけて来ても、そっとグラブを差し出して舞うようにキャッチしてみよう。そして速くても胸の真ん中にある相手のグラブにスッと納まる様な球を返してみよう。
 それを続けていれば、いつかあなたは一目置かれる存在になれるはずだ。

 自分が投げている球が大きなドッヂボールではなく小さな野球ボールであることに相手が気付いたとき、そしてあなたが投げる球がいつも捕りやすいことに気付いた時、その相手との仕事は、きっとクリエイティブになっている。

おわり

 

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