見出し画像

日本的は時代遅れ?

 年功序列、終身雇用、無駄に多い担当者、決断が遅い、責任者が誰か分からない、結論の出ない会議、身内しか分からないカタカナ用語、質問のある方?はいない、と思ったら後で聞きに来る。
 日本企業の悪い点として多々挙げられるこれらのことが、日本のグローバル化を妨げ、成長を阻害していると言う文脈で語られる。

 日常的には、こんなこともある。
 データを示すことが目的の資料作りのはずが、いつの間にか綺麗な資料を作ることが目的になっている。
 決めることは無いけれど毎週やることと決まっているから会議をする。
 呑みたい人が飲むためだけの懇親会。
 生活に必要だからお金を稼いでいたはずが、いつの間にかお金を使うことや増やすことが目的になっている。
 おいしく食べて喜んでもらうためではなくて、作らなきゃならないから料理をする。
 痩せるために始めたダイエットが、いつの間にかダイエットすること自体が目的になっている。

 目的達成の為の手段であったはずのことが、いつの間にか目的になってしまうという事を、手段の目的化と言う。
 手段の目的化は日本人の病とまで言われたりする事もある。


 少し前の話になるがM-1グランプリ2019で「ぺこぱ」がお茶の間に登場した時の衝撃は忘れられない。
 ツッコミが突っ込まない。むしろ褒める。
 バカを自覚していないどころか自慢している子供のような、見ているとムカついてくるキャラクターを演じるシュウペイのボケに、似非ビジュアル系のような風貌の、でも喋り方で実は田舎者とバレている奴を演じる相方の松陰寺太勇がツッコむ、かと思いきやツッコミを自ら逆手に取って、そういうのもありだよね、という感じで、むしろ褒める。
 まるで独り護身術だ。
 いくらシュウペイが暴走しても、松陰寺はそれを止めるどころか、いなす、、、ように持ち上げるものだから、爆笑はどんどん加速していく。

 日本の悪い点と言われることを、松蔭寺の「ノリ突っ込まないボケ」という観点で見てみるとどうだろう。

年功序列:目上の人を敬うのは悪いことじゃない
終身雇用:会社は途中であなたを見捨てはしない
無駄に多い担当者:だから雇用が守られているんだ
決断が遅い:急がば回れということだってある
責任者が誰か分からない:誰のせいにもしない
結論の出ない会議:急いては事を仕損じる
身内しか分からない専門用語:業界用語さえ覚えれば一人前になれる
質問のある方はいない:講師が答えられなかったら可愛そうじゃないか
手段の目的化:ポケモンカードは集めることに意味があるんだ

 もし、手段が目的化しては困るのであれば、手段として使えているかどうかを時々チェックしてみれば事足りる。
 日本古来の考え方もバッサリ切り捨てるほどには無為なことではない。それこそが日本文化の一部であり、日本人がグローバルに戦う上で武器になり得ることでもある。
 温故知新というではないか。
 日本文化を改めて見直して検証し、今と未来に活かすためにも、ここらで一度、「時を戻そう!」

おわり

サムネ画像は、ぺこぱ所属のサンミュージックのページから転載しました

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?