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職場環境と業務の改善は自己変革から!

今回は、職場環境や日々の業務を改善することで、将来的に今より少しでも働きやすくしたり、本当はやりたいと考えている取組への時間を捻出するために、チームメンバー総勢10名にヒアリングをしてみました。
なお、私の部署はEC事業で主に以下の業務を担当しています。

商品:商品調達・取引先交渉・発注・在庫管理・商品ページ作成
販促:流入施策・企画ページ作成
管理:売上 利益 経費 総務
CSなど:お客さま問い合わせ対応 出荷コントロール 事故対応
 


チームメンバーへのヒアリンング

あまり堅苦しくなると意見もしにくいので、
「毎日こんなことに困ってるんだけどな~」
「こんなことできれば楽になるんだけどな~」

カジュアルにヒアリングを行い、44の課題・困り事を抽出しました。

①テキストマイニングによるヒアリング結果分析

ヒアリング結果をテキストマイニングにかけると、商品管理業務のボリュームも多いことから共通して「商品」という言葉がリードしてしまいますが、「データ」「自動」「自動的」といった名詞
「できる」「取り込む」「切り替える」などの動詞 が目立ちます。
前回記事でも触れていましたが、やはりチームの困り事は共通して、複数のシステムを使用していることによる多種多様なデータを、属人的につなぎ合わせることへのストレスと不効率を感じていることを再確認できました。

②グルーピングによるヒアリング結果分析

一方、マネジメントの観点からグルーピングし課題件数を整理すると以下のようにまとまりました。商品に関連した日々の業務を行うためのデータ取得と加工にかなりのウェイトを占めています。

結果としては、①客観的②主観的分析結果は、私が感じている課題の優先順位とチームメンバーのお困り度は近しいものだと理解できました。その根底にあるのも、「店舗事業とEC事業間でのシステム非連携」「複数システム利用によるデータ取得・加工のための工数の多さ」が要因だと考察しています。

課題抽出について

今回、ヒアリングしたなかでもそれぞれの課題がすべて独立して発生しているわけではなく、「このデータを自動取得できるようにし自動加工できれば、一方その他の課題も解決する」など課題同士の相関性をもっていることも整理していく中で見えてきました。

そこで、特に「発現頻度高く」「関係人数が多い」「課題の相関性が高い」ケースで、解決することで改善効果が期待できると考える以下の三つを抽出しました。グルーピングによるヒアリング結果分析チャートの中では、商品No.1&2&3に該当します。

課題①商品メンテナンス作業の工数が多すぎて不効率

優先度【高】影響度【高】難易度【中】
改善目標23年11月

弊社EC事業は、「リアル店舗にある品揃え」を掲載販売し店舗在庫を出荷する形態で運営することにより、店頭の幅広い品揃えを在庫リスクを抑えながら販売可能にすることを目指しています。
一方、商品管理システムは店舗とECに互換性はないことが大きな課題です。加えて、ECではまとめ買いなどのセット販売の需要が高いため、まとめ買い用の独自商品コードを発行し、そのコードに単品商品コードが紐づくため、商品コードの店舗・EC間での突合がさらに複雑化し、改廃管理の工程も非常に大変なものとなります。よって下記のような作業が発生します。

1.リアル店舗の商品管理システムで常に変更が発生する新商品・廃版商品・売価・原価などを複数のサイトから数十回ダウンロードしそれぞれのファイルを、後続の工程用に加工
2.EC用の商品マスターと掲載商品リストをダウンロードし、店舗用マスターと突合できるように加工
3.上記データを突合後、修正点・不具合を抽出しECシステムにて修正実施

取り扱う商品数データが数十万と多くダウンロードを小分けにしないことや、その反復をさらに各サイトで行わなければならないため、多すぎる工数に人時を割り当てれず、日々ルーチンで行わねばならない作業であるにもかかわらず、月1~2回程度しかできていないのが現状です。

改善方法について
データ取得と加工については、おそらくRPA化とパワークエリの組み合わせで解決できそうな予感ですが、その生成物をよりわかりやすくチームメンバーに伝える発信や、登録修正も自動化できないかなどデジタルの学びを高め考えていきます。

工数削減と可能な限り自動化させることでこんな効果が期待できます。
増えるもの
1.メンテナンス量を増加させないよう避けていた品揃え商品の数
2.営業活動に費やす人時
3.売上・利益
減るもの
1..廃版商品掲載による欠品事故
2.上記にまつわる在庫手配やお客さま対応の人時
3.商品担当のストレスと作業人時


課題②作業の重複による不効率

優先度【中】影響度【中】難易度【低】
改善目標23年10月&11月

タイトルからもわかる通り、チーム内で同じようなデータを同じタイミングで別々のメンバーが抽出し、人時ロスが発生していますよね、ということです。マネージャーや担当からご指摘でしたが、「君たちコミュニケーションちゃんと取りなさいよ。。。」という気持ちはグッと抑えつつ、「なるほど!そうだね、すぐやろう」と。
こういった、自発的な改善活動を促せていない、文化形成できていないのは責任者の問題です。そう私です。
例としては、日次・週次・月次の受注実績や出荷実績を、各々(5~6名)が同じサイトから同じ曜日に同じデータをダウンロードしていたといった事例です。

改善方法について
本件はまずはデジタルが入口ではありません。
STEP1 コミュニケーションベースでの確認が最優先です。各担当が日次・週次・月次でどういったデータを取得しているか、すべてテーブルに出し「統合するもの」「不要なもの」を判断し、重複無くします。
STEP2 自動化できるものはないかを模索し、生産性を高めます。
STEP3 継続的改善風土が定着するようメンバーの一人をリーダーに任命。

この重複作業をなくし、自動化させることでこんな効果が期待できます。
増えるもの
1.他のメンバーが取得しているデータに内容を把握することによるデータ活用範囲や知見
2.営業活動に費やす人時
減るもの
1.重複作業の人時
2.同じデータ取得削減によるシステム負荷

課題③社外システムとの連携がすべてマニュアルで不効率

優先度【中】影響度【中】難易度【高】
改善目標24年8月

弊社EC事業は、自社サイトでの販売だけではなく、楽店やYAHOOにも同屋号で出店しております。ところが、各ECモールからの注文情報を自社受注管理システムへ、毎朝店頭在庫を確認後に在庫あるもののみを取込み、それ以外は取込保留とし、商品発注し数日後に入荷次第取込実施します。保留商品は日々積上っていくため、新規注文とともに過去の保留商品も毎日属人的に運用管理しています。
加えて、注文情報を自社受注管理システムへ取り込んだ順に在庫が引き当るロジックのため、取込む順番を間違うと先に注文されていたお客さまの発送は後回しになっていく地雷仕様です。

弊社のEC事業における店頭商品出荷までの流れ

改善方法について

システム部とも相談しましたが、現時点では「ネットショップ用受発注・在庫管理ができるクラウドソフトの導入」と「自社システムの改修」しか改善できないようです。よって、次年度の投資予算へ参入してもらえるよう提案を行い、来期中の改善を目指します。

毎日の取込作業や目検作業を自動化することでこんな効果が期待できます。
増えるもの
1.展開可能となる掲載商品数拡大による収益
2.営業活動に費やす人時
3.投資コスト
減るもの
1.手作業にかかわる人時
2.勤務計画の制約
3.注文管理ミスによる事故件数

学びの継続で変えられるものは増える!

現在、ノーコードツールを中心に学びを高める自己投資を行っています。従前では、「システム部の対応が遅いから」「TOPが理解してくれないから」などと、周囲の環境を理由に業務の課題を後回しにしていることが多かったです。しかしながら、日々学びを重ねていく中で、課題と向き合い小さな解決でも良いのでまずはやってみるというマインドセットと機動力が高まってきています。継続は力なり、自己変革と勉強を継続し変えていきます。


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