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レッテル貼り? 考え方のクセ 5/10個目

「自分はバカだから」、「コミュ障だから」などと、事があった時にいつも、このように考えてしまう方はおられませんか?
これらは自分へのレッテル貼りの例です。

レッテルとは、商品に貼るラベルのようなものを指します。「レッテルを貼る」というと「評価する」・「分類する」というような意味になりますので、上記の例だと、自分で自分を「バカ」だという分類をしていることになりますね。

このような考えが極端すぎると、社会生活に支障をきたしてしまうかもしれません。このような極端な捉え方を「考え方のクセ」と言うことがあります。
考え方のクセは大まかに10パターンに分類されることが多く、パターンの一覧は、こちらをご覧ください。

今回は「レッテル貼り」という考え方のクセを探っていきましょう。
この記事は、ストレスを抱えやすい人や人間関係をうまく乗り切りたいと思っている方のために、「へぇ~。そんなこともあるんだぁ」程度の軽い感じで、知識を増やして対処できる可能性が高まることを目的に掲載しています。


レッテル貼りは日常のこと?!

普段、私たちは自然にレッテル貼りをして過ごしています。
お友達との会話でこんなことはないでしょうか?

「あの人はA型だから几帳面なのよ~」
「私は文系だから数学は苦手なの!」

思い当たる節はありませんか?
A型に几帳面な方が多いのかもしれませんが、必ずしも当てはまるとは言えないですよね。私の友人のA型はずぼらです。

これは、A型=几帳面という分類をして、すべてのA型の人に「几帳面」というレッテルを貼ってしまった会話の一部です。
同じく、文系でも数学が得意な人もいるでしょうから、文系だから数学が苦手とひとくくりにするのは、大きなリスクが伴います。

この程度なら、特に人間関係や社会生活に大きな支障はないでしょうが、このような考え方が極端になればなるほど、トラブルになる可能性があがります。

自分を卑下するレッテル!?

特に自分を卑下するようなレッテルは困りもの。
冒頭で例に出した「自分はバカだから」というようなレッテルが行き過ぎると、周囲はとても困惑します。

「自分はバカだから」と言われて、「そうだよね」と答えるパターンはそう多くありません。
ご家族内での会話や、とても気ごころしれた仲間、自虐的なユーモアが許される状況でないかぎり、多くの人は返答に困ります。
たいてい、「そんなことないよ」と返すと、「いやいやバカだから」とより強固に、頑固になっていくのがパターンです。

このようなことが続くと、その方と関係を続けるのがしんどくなってきます。やがては距離ができ、孤独が近くなってしまいます。
それでもこの考え方が強いと、「やっぱり自分は出来ないやつだから」・「ダメ人間だから」というレッテルを上書きしていくことになりかねません。

このように厄介なレッテル貼り。その問題はどこにあるのでしょうか?

問題解決にはつながらない?

レッテル貼りの一番の弱みは、レッテルを貼っても何も解決されないという点だと思います。
分類して安心した気になっても、現状は何も変わらないというのが、この考え方のクセの特徴です。

すべての物事の要因を、特定の「レッテル」のみに見出す傾向があるため、「だからどうするべきか?」といった思考に至りません。
物事へのやる気が失せ、抑うつ気分に陥りやすくなります。

レッテルは往々にして思い込みが多く、思い込みは時に人をその方向へと進ませてしまいます。
つまり、バカだからと自分でレッテルを貼り続けたり、あるいは人からそのようなレッテルを貼り続けられると、本当に思考力が低下していく可能性があります。

レッテルは「ラベリング理論」と呼ばれることもあり、この理論では、不良少年はレッテルを貼られたことによって、不良になった(逸脱行動をした)と説明されます。

ネガティブなレッテル貼りの考え方のクセは、物事を前向きに進めるのには何の役にも立たないということです。

ポジティブなレッテル貼り!

どうせこのような考え方のクセがあるのなら、前向きなレッテルを貼ってみるのもお勧めです。
毎日、だれかから「キレイですね」とレッテルを貼り続けられたら、キレイを意識し始め、キレイに突き進む原動力になりませんか?

仕事で「自分は天才だから」・「できるヤツ」とポジティブなレッテルを貼って臨むと、いつも以上のパフォーマンスを発揮できるかもしれません。
最近、話題が再燃したスラムダンクの桜木花道なんかは典型的かもしれませんね。彼の口癖は「天才ですから!」

事実、バスケ未経験の彼が、自分は天才だと勝手に分類し、がむしゃらに取り組んだ結果、たった数ヶ月で全国トップレベルのプレーヤーになりました。もちろん、驚異的な身体能力とマンガという背景がありますが・・・・。

このように良い効果も期待できる考え方のクセではありますが、私たちが日常的に出会うのは、ネガティブなレッテルでしょう。
ストレスを生みやすい考え方のクセの中でも、対象法が難しいのがレッテル貼りです。

これを緩和しようとすると、認知行動療法が効果的なのかもしれません。対人スキルならSSTなどがありますが、一般的にそのトレーニングを受ける機会は多いとは言えないでしょうね。

まずはストレスと上手く付き合っていくために、自分の考え方のクセを知っておくことが大切です。知らないものへは対処できません。
レッテル貼りが悪いわけではなく、それ以外の可能性を無意識に排除し、解決思考を停止させるほどに偏った受け取り方が問題!!

ご自身でこのクセがありそうな方は、一歩立ち止まって、他の可能性や解決策がないか見直してみてください。人に相談するのも良い手ですね。


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