④ 場面指導の在り方 動画『モチモチの木』

1・2年生の指導事項は「場面の様子」を捉えさせることであり、3・4年生の指導事項は「場面の移り変わり」を捉えさせることです。この指導事項はどのような違いがあるのでしょうか。
「場面の様子」とは、その教材を読んだ後でその教材を「はじめ・なか・おわり」で分析していくものであると考えます。一方の「場面の移り変わり」とは、その教材を読んでいきながら「はじめ」を捉え「なか」を想像しながら「おわり」を考えていくようなものであると考えます。
つまり、「場面の様子」は教材に描かれたその物語の世界そのものを捉えていくものに対し、「場面の移り変わり」とは教材を基に読者(学習者)が想像を膨らませた世界を捉えていくものであると言えます。場面の様子は教材という閉じられた世界を捉えるものであり、場面の移り変わりは教材から開かれた世界を捉えるものと言えるでしょう。このマガジンでは、このように定義して以下述べていきます。
文学の言語である叙述とは書かれている意味内容の範疇を超えた意味がある解釈の幅が広い表現であると述べてきました。当然、場面という物語の全体構造を考えても同じことがいえるのです。書かれていることを超えてもっと広く深く読めるものが文学といえるのです。
3年生の『モチモチの木』の木は、最後の文から後の物語の世界を想像させるように描かれた仕組みが作られた作品です。ですから、場面の移り変わりについて初めて指導するのに適した教材となります。

動画のパスワード kokugo1-4

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