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梅田飲み歩きレポ

大阪に来て初めて1人で飲みに行くという体験をした。

自分へのごほうびということで、大好きな1人カラオケも予定に組み込んだ1日プラン。楽しみにしすぎたのかよく眠れず、予定よりもやや遅れ気味のなか、いそいそと家を出た。
家を出ればこちらのもの、足取りも軽く目指す場所は梅田。控えめな日差しと風が気持ちよく、気候もベストだ。

正午を回っていたので、梅田に到着して真っ先に第1目的地に向かった。
ちまちま飲みたい気持ちもあったが、ラーメンがどうしても食べたい。そう思ったらもう口がラーメンになってしまうものだ。
坦々麺がおいしいというお店に行こうと決めていた。

グランフロント7階「坦々麺の掟を破る者」
上品な店構えでラーメン屋であることが外見からではうかがえないそのお店には、私の前に3組のお客さんが並んでいた。平日昼間のグランフロントは比較的静かだが、その店には続々と人が並ぶ。

10分ほどでカウンター席に通され、メニュー表の中から1番標準と思われる「黄金のたんたん麺」それからクラフトビール「グースアイランド IPA」を注文した。
全体の金額的にも、ビールがクラフトビール1種のみという点でも、攻めたお店だなと感じるものの、特別な今日という日にはもってこいだ。

ラーメンができる頃に持ってきてもらったIPAをひと口流し込む。
口に入れた瞬間ふわっと強く口に広がる香り。そしてしっかりと苦味の残る後味。なるほど。これは「好きな人が好き」なタイプのやつだ。黒ビールと同様、油っこいものや強い味に合うタイプかな。

ラーメンのほうはというと、名前のとおり坦々麺とはなんだっただろうかというほどに未知の坦々麺。
白濁せずに透き通った汁、坦々麺らしい胡麻の香りはあまりなく、代わりに出汁が香る。麺はパスタのような丸い断面で、表面もつるりとしている。
どちらかというと愛知の台湾ラーメンに近いように見えたが、味は和風で酸味もありスッキリと食べられて、それともまったくの別物だった。

不思議なラーメンだ。そう思いながら食べすすめていったが、次第になんとなくやみつきになってきて、ラーメンを食べスープをひと口流し込み、そしてIPA。そのくり返しであっという間に完食してしまった。

ガツンとしていないのでまだ体は軽く余裕がある。よしよしこれはいい調子だぞ。

お酒のつづきは夕方にすることにして、摂取したカロリーを減らすべく目に止まったカラオケ店に入り、2時間ほど歌い続けた。(各部屋の音もれがひどく、実質「1人じゃないカラオケ」だったが)

16時を回り、カラオケ店を後にした私はいよいよ本日のメイン、都会のジャングル「大阪駅前ビル」へ。
大阪駅前ビルは4つのビルが地下でつながったまさに迷宮。数えきれないほどの飲み屋が立ち並び、仕事終わりのサラリーマンがお酒で疲れを癒す場所。Youtubeで見た時からそのディープな空気を体感してみたいと思っていた。

ディアモールの上から吊られた案内を頼りに第2ビルへ。階段をひとつ上がり目的の店に到着した。
「立食焼肉一穂」
読んで字のごとく立ち食い焼肉の店だ。

店に入ると先客が1人いて、内心ほっと胸をなでおろした。初めての店でお手本を見せてくれる人がいると安心するのは私だけだろうか。

カウンターに1人1台の焼き台が並べてあり、頼んだ肉を自分で焼きながら食べるスタイル。肉は1枚ずつ頼めるようで、量的にあまり食べられないおひとりさまでも調節がしやすく助かる。

頼んでから1分も経ってないのではないかという早さで出てきたキンキンの生を流し込みながら木札を眺め、無難なタンカルビと塩タンとカルビを2枚ずつ注文した。1枚ずつ頼めるのだから、今思えばもっと冒険してもよかったな。

肉はシンプルにひと言でおいしい。塩タンは肉厚で、塩加減も濃いめが好きな私好みだ。カルビもタレがよく絡んで脂っぽすぎず、お酒がただただ進む。ごはんと言いたくなるがここはぐっと抑えてビールに徹する。

1人焼肉は敷居が高く、これが初めての経験だった。自分のペースで焼くことができるので、少し考え事をしている間はお酒だけのんびり飲むこともできるし、忙しいという感覚がなく、思っていた以上に充実した時間を過ごせた。

途中で背面のメニューに見つけたやみつきキャベツを追加で注文したのだが、これがめちゃくちゃおいしい。刻みネギが混ざった塩ダレに、シャキシャキのキャベツがマッチして延々と食べてしまう。
とはいえ1人で食べるには量が多かったので、今度は人と来た時に頼もうと心でメモをとった。

ちょうど2杯のビールを飲み終えたところで食べ物も終わったので店を出た。
17時を過ぎたビルには仕事を終えた人たちがちらほらと飲み始めているようだ。とはいえ「今日は人がいないね」とお店の人は嘆いていたので、普段はもう少し賑わっているのだろう。

ここまでを贅沢に過ごしてきたので今度はリーズナブルなお店で、ということで、移動した第4ビルで呼びこまれた「大衆酒場マルリキ」へ入る。
こちらは予約席として少し席は埋まっていたが、私が入った時には貸し切り状態だった。

カウンターの隅のなんとも落ち着く席に座り、破格の199円のプレミアムモルツ〈香る〉エールを頼む。
缶ビールよりも安いプレモルがあったなんて。こんなところが仕事の帰り道だったら危うく毎日ひっかけて帰ってしまうな。

予想外のボリュームのキャベツで思いがけずお腹の余力を削られていたので、つまみは控えめにピリ辛きゅうりと泉州水なすとちくわ磯辺揚げ。

あっさりとしたきゅうりと水なすはお腹を苦しめずに食べられるありがたいメニューで、ついどこでもお世話になってしまう。ちくわの磯辺揚げは太いちくわの中に餅のようなものが入っていて、新しい食感だった。

赤玉パンチもプレモルと同じく199円だったので2杯目に頼んだ。ビールよりもずっと飲みやすい甘いワインの赤玉パンチは本日5杯目にはやはり危険で、あっという間に飲んでしまった。

店内は徐々に混み合ってきて人の話し声がし始めていた。
大衆酒場というのは人のガヤガヤで自分の声が相手に聞こえないくらいが好きだ。今回は平日の早い時間でそれを味わうことができなかったことだけが残念だった。

ほろよい気分で店を後にして、当初の予定では日本酒と魚が楽しめるお店でしめようかと思っていたのだが、それをして電車を乗り継ぎ帰るには少し酔い過ぎたかなという感覚で、ひとまず家の方へ向かうことにした。

人様に迷惑をかけないというのがお酒を嗜む上でのマイルールなので、コンビニで買った水を流し込み酔いを落ち着かせながら改札を通る。

あれえ、道中で買ったものを入れたエコバッグがない。店に忘れてきた。
人様に迷惑をかけないとキリリと歩いていたのに、こういうところが抜作だ。

戻った店ではすでにレジに保管されていたエコバッグをすぐに渡してくれた。私はすみませんと頭を下げてこっぱずかしい気持ちで梅田を後にした。

安心感のある自宅の最寄り駅を出て、少し物足りなかったので「くら寿司」に寄って少しばかりの寿司を食べて帰った。お酒は高かったので家に帰ってこれまた少しばかりのウイスキーを飲んだ。

大満足の梅田1日プランはこれにて健全に幕を閉じた。
たまにはこんな日もいいものだ。大阪にはまだまだ未開拓の土地がたくさんあるようなので、今度は別の場所にも訪れてみようと思う。

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