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【晩酌の私】鍋とお酒と1人の夜

便利な1人前の小分け鍋つゆが手軽にスーパーに並ぶ現在、土手鍋っていうのは鍋がちょっと焦げやすいしちょっと手間だ。

それでもスーパーのチラシに牡蠣を見つけたとき、実家からもらった赤味噌が「今です!」と頭に直接語りかけてきた。

実家は九州出身の父のせいで赤味噌なんて出たこともないのに、地元愛知のものを娘に送ろうとすると赤味噌というチョイスになるのはなぜなのか。

幼少期からとくに親しんでませんけど。いや、文句はないよ!好きだよ!

1人暮らしの名残で持ってきたものの、あまり出番のなくなった1人用の土鍋を、棚の高いところからよっこいしょと引っ張り出した。

そもそも、夫が海外に行ってる間にとにかく乱れた栄養。1回整えようという気持ちから「野菜といえば結局鍋よ」という結論になったわけだ。

買い物してきた牡蠣や野菜、冷凍庫に眠っていたきのこを取り出してせっせと進める。

畑に海に山、いろんなところから我が家にやってきた具材がひとつの鍋におさまるなんて、一石何鳥よ。

ある程度キッチンで火を入れたので、仕上げの加熱は食卓テーブルでスタンバイするカセットコンロに任せることにした。

火にかけて、その間すぐにできるもう1品のおつまみを鼻歌口ずさみながらウキウキクッキングしていた。今思えばちょっと悠長にやりすぎた。

不意に聞こえるジョアアァという絶望の音。

吹いとるがな!

しかし、こういう経験が多すぎて、鍋が吹きこぼれたときと飲み物をこぼしたときの対応の速さだけが上達していく。

未然に防ぐ方が上達して欲しいと切に願う。

入らないで欲しいところまで味噌の茶色に染まり、食べる直前にしてカセットコンロの大清掃を行う羽目になった。

無事火がつけられるほどにカセットコンロを回復させて、何はともあれいただきます。

温め直してほかほかと湯気が立ち上り、グツグツと煮えている牡蠣を口に入れて「アフ..アフ..」と熱さに悶えた。あぁ、このときのために私は、吹きこぼしてまでこれを作ったんだね!

スーパーの40%OFF救済牡蠣とは思えないこの幸福感。赤味噌ってのはちょっと濃いくらいが最高に美味しい。

それからこのアサヒィ、スーパードルァァイ!(CM)

実は20代前半まではスーパードライは好まなかったけど、次第に好きになったんだよね。辛口であっさりといけるので、疲れたときに流し込むのが最高。いいのか悪いのか、大人になったってことだろうか。

そう言われると、子供のときにはどうでもよかったけど、大人になってから良さがわかるようになった食べ物ってある。たとえば、鍋で多いのは春菊があるある。

ちなみに、私は大人になってからは、鍋ににんじんが入っているとちょっと嬉しい。素材の甘みありがとうって思う。

おでんも子供はあまり好きじゃないけど、大人になったら好きになるよね。「寒いときにはやっぱおでんだよね」って言い出すよね。

鍋をひとしきり堪能したら、副菜おつまみで箸休め。

気になった人は気になっているかもしれない上部画像右のアレ。

めちゃくちゃかんたんに作った、ばくだん納豆。

スーパーで売ってる薬味セット(小口ネギ、長ネギ、みょうが)、刻んだたくあん、混ぜた納豆を小さいボウルに入れて混ぜただけ。

味付けはお好みで。私は醤油を入れて混ぜて、最後にごま油をたらり。

薬味がショキショキ、たくあんがポリポリ、納豆ネバネバ。みんないい仕事するねぇ。

ごはんに乗せても絶対に間違いないけど、土手鍋の〆にうどんが待ってるので今日はこちら優先。

ポロンと通知音が鳴って、アロハの国へ旅立った夫の安否確認をした。あちらの話の方が大盛り上がりなのは明白。異国の食べ物、きれいなサンセット、浮かれたおじさんたちの赤ら顔。

最近は海外だろうが、帰ってこなくてもタイムリーに思い出話ができてしまうな。

お返しとしては威力不足ながら、「私は最高の土手鍋パーティーをしていたところだよ」と画像をつけて送った。夫はいいなぁと返事をして「戸締りはしっかりするように」と相変わらず教師のようなことを送ってきた。

夫が居ぬ間に、ベッドの敷きパッドを普段もったいなくて使わない高級な柔軟剤で洗ったことは内緒にしておこう。

拝啓 異国のベッドで眠る夫よ、嫁は広いベッドでいい匂いに包まれ、快適に眠っております。

スマホを閉じて、〆のうどんではち切れんばかりのお腹をさすり、いつもより少ない洗い物を始めた。

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