「区画1-022番に眠るお姫様」
谷水春声さんには「都合の良いお伽話に夢を見ていた」で始まり、「ここが私の帰る場所」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば2ツイート(280字)以内でお願いします。
#書き出しと終わり
https://shindanmaker.com/801664
都合の良いお伽話に夢を見ていた。
眠り続ければいつか王子様のキスで目覚めると。指を組んで少し口角を上げて、可憐なお姫様に見えるように演出して。
けど。
ここは茨に阻まれたお城でもなければ、七人の小人が住む森でもない。
目を開く。周りに生き物の気配はない。
ここは墓場だ。王子様は来ない。
棺から這い出して夜の散歩を始める。丁重に処置して貰ったが、段々手脚が曲がらなくなってきた。
王子様が来ないまま私の人生は終わった。
寂しさ、悲しさは今でもある。誤魔化すために眠っているふりをして、王子様を待つ位だ。
それでも。
動き辛い首と目で景色を見回してまた実感する。
ここが私の帰る場所。
(280字)
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