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俺らの家まで/長渕剛 オマージュショート-2
知らぬ間に季節が1つ過ぎていた。
春の知らせは風が届けてくれたけれど、
君からの電話はまだない。
「優しい所が好き」と言われて結ばれた2人は、
「誰にでも優しすぎる所が嫌い」と言われて
ほどけてしまった。
確かにその通りだ。僕は誰にでも優しい。
ただ、優しくない自分にはなりたくない。
本当に大切なものは心にしまってある。
それが君だと伝えなくても分かる2人でいたい。
でもそれもまだ伝えられて
JEEP/長渕剛 オマージュショート-1
「はぁ…」
深くついたため息が、狭い部屋にはね返されて
すぐに自分に返ってきた。
ふと時計を見ると3時を過ぎている。
出来そうで出来ない、
あと一歩で振り出しに戻る、
そんなドミノと双六を足したような事を、
何日もひたすら繰り返している。
数える程もないハンガーから赤いジャンパーを掴むと、
1つしか選択肢のないブーツに足が向かった。
行き先はいつも決めない。
ただ、気づけばいつも同じ角を曲