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木綿ブーム

私の「音楽」の順位はかなり低い。

漫才やコントに加えてトークや各配信まで全てをひっくるめて「お笑い」という大きなジャンルにくくり、このようにいろんなジャンルをざっくり仕分けたとしても「音楽」は無くても困らない位置にいる。

人の脳天をぶち抜くゲーム、何回も読みなおすハンターハンター、狂ったようにする暴飲暴食、考え事、ボーッとする、椅子に座る、家事や睡眠など様々な事柄に負けて音楽がそこにいるのだ。

耳はラジオで埋まっているから、必要ないとひねくれた理由で聴かない、興味がないこともないが結局誰とも話さないので興味はないまま、などの理由でかなり低い位置にいる。でも、いまちょっと音楽がアツい。

事の発端は、9月のラジオ。
伊集院光×太田光という組み合わせで放送された爆笑問題カーボーイ。十数年ラジオを聴いてきたが、いちばん面白かった。いままで聴いてきていちばん。何回も聴いたし、まだ聴いてる。

何回も聴いていてやっと気づいたことが1つあった。
「この1曲目の歌、めちゃくちゃ良くないか?」
普段ならあまり気にも留めず、聞き流す音楽だが、とてもいいなと思った。試しに自らのツイートを確認すると「この歌めっちゃいいな」と呟いている。

宮本浩次の木綿のハンカチーフという曲だった。

なにが良いのかはわからなかったが、とりあえずいいことはわかる。その後も、何度も繰り返しカーボーイを聴き、その後にリアルタイムでラジオをはしごしているとたまにラジオから流れてくるので、その度に「木綿だ、なんかいいな。」と思った。これを木綿ブームと名付けた。鼻唄まで出るようになった。

木綿ブームなんて来ると思ってなかった。

そもそもの話をもう少し詳しくさせてほしい。音楽がそんなに近くにいなくて「スリッパをただ眺める時間」に負けている理由を。

まず「ギターを避けている」という概念が無意識の中に封印されていることにかなりの時間気がつかなかった話から。祖父も父親もバンドをしていてギターの話はよく聞いた。触ってはいけない高いギターもあった。演奏の真似事をしている記憶も見に行った記憶もある。それが一家離散してそのせいで生活が一変すりゃあ封印もされる。よって、思春期ちょい前の頃からギターへの魅力は嫌悪に変わり、何も感じてこなかったので、ギターの曲は聴く対象から外れた。バンドやその他諸々ギターがあるものは除外。

とんでもなくザツでザルな選曲方法だ。
怒る人がいてもおかしくない。
そうやって無意識に避けていることに気づくまで時間がかかっただけなので許してほしい。

2つめ。「音楽は救ってくれないという八つ当たり」
いま考えると、そういうしんどいときにたまたま救ってくれたのがお笑いであっただけだが「音楽はなにも救ってくれない、アイドルのケツ追いかけて何が楽しいんな偶像崇拝。お前ホンマにそれ言いたいんか?真夏のジャンボリーの意味も会いたくて震える意味もわからんのじゃアホ。ほな、ボケんかい。」と八つ当たってきただけなのだ。音楽はなにも悪くないし、自分がちゃんと探してこなかっただけ。そんなひねくれが発症し、5年ほど前にようやく快方に向かってきたがまだ八つ当たってはいる。すきなものを否定されたら悲しいだろうなと知りつつ。御察しの通りカラオケは苦手だ。なんかごめん。

3つめ。経済的理由。
音楽を聴くのにも金がかかる。聴けなかった。以上。

ざっくり3つ。もっと細かく言うとさらに。
こういった理由であんまり音楽の順位があがらないまま過ごしていたのが一昨日まで。

昨日、宮本浩次のROMANCEを買った。

木綿の鼻歌が永遠に脳内から離れないまま、買い物をしていると喫煙所でアルバムの存在を知った。Twitter便利。久しぶりにCDを買おう!と思い、その勢いでTSUTAYAに行き、特典のポスターのことを知らなかったので少しもて余したが無事買えた。

聴いてみたけどめちゃくちゃええな。

「どうやらよく暴れてる人」
「毛量が多い人」
「木綿ブームの人」 

ぐらいだったけど、とてもすきになりました。

以下、感想です。


この曲!なんか知ってるよ!こーの曲も!これも!あーー!これもどこかで聞いたことある気がする!はい、木綿!きました!木綿のハンカチーフ!いいね!何がいいのか表現する方法が全くないことが悔しい!でも、木綿は超すてき!いい!赤いスイートピーもちゃんと聴いたらめちゃくちゃかわいいな!知らなかった!超すき!いい!最高!

感想おしまいです。

まぁ、何が言いたいのかというと。

十数年近くもラジオを聴いてて
「ラジオで聴いた曲がなんか気に入ったのでなんとなくCDを買ってみる」という行為をはじめてしたのですが、とても楽しかったですよ。という報告。

だから、どうこうとかじゃなくてさ。オレはこんなに楽しいかったからちょっといろいろ聴いてみたいってなったよ。それだけ。

あと、避けてきたくせにちょっとよかったから仲間に入れてほしいな、という願望がある。いや、仲間にいれてください。

さっきからしつこいが、なにがいいのか全くわからないがとにかくよかった。表現の仕方と知識と語彙がないだけなので本当に申し訳ない。超いい。元の松田聖子がいいのか、作詞作曲の人がいいのか、演奏がいいのか、歌ってる宮本さんがすてきなのか、誰の何かの成分なのかわからないけど、とにかくあの赤いスイートピーがなんかめちゃくちゃすきになった。まだ3回しか聴いてないけど。

木綿からのスイートピーブームも近い。
でも、まだ木綿がアツい。

マジで!とりあえずさ、そういうことなのでいまは「音楽を聴こう」と思って、すべての作業を止め、ただタバコを吸いながら冊子をめくって「へぇ~いいな~」と眺める時間が増えました。少なくともスリッパをじっと眺めたりするぐらいならそっちの方がいい。

これはおじさんなんだろうな。と思うけど、やっぱCDの方がいい気がする。歌詞読んでジャケットの質感とかをじーっと見て、割ってしまわないようにモノを運んでわくわくする時間も込みだと思うのよ。ダウンロードするのは楽だし、手軽にいろんなのってのもわかるけれどもね。おじさんだな。

あと、HIPHOPより情報量が少なくてびっくりするね。文字がスリムでびっくりした。

まぁ、こうして
「JIN DOGG 木綿のハンカチーフ 釈迦坊主 スチャダラパー」というアツいプレイリストが完成したので少し満足しています。

そうそう。

とりあえずこのブログを書いた理由ね。ラジオありがとうすきなものが増えましたが1つ、音楽が少し広がったから楽しみだよってのが1つ、で最後になんですけど。

ここまで読んでくれた方、なにかの曲を勧めてくれませんか?というのが有りまして。まぁ、ご覧の通りあなたみたいに音楽いっぱい知らないんですよ?全然通ってきてない。ちゃんとボケるために1回だけ1.5倍速で香水を聴いたり、3周した後に前前前世を追いかける人生です。

なので、なんでもいいです。これ聴いてみなよ?ってのあったら教えてください。いつか聴きます。
(音楽の順位は上がりましたが、大喜利に勝った訳ではないのでちゃんと聴く約束は出来ません。ごめん。でも!でもなのよ!)

何でもいいんで、いま熱量がこの感じのうちに勧めてくれると少し嬉しいです。

あ、あと最後に。オレみたいに現在進行形でひねくれている少年少女達よ。いつか嫌ってた何かがこうして現れることだってあるし、お前が見ているその笑点から座布団職人の道が拓かれることだってある。そういうことだ。それが世。

この話をここまで聴いて、それでもなお天井を睨み付けたり脳内にしがみついてるのも自由だが、生きてろとは思う。ちょっとおもろいからな。

「木綿のハンカチーフを鼻唄で奏でる」

なんか、結構な解答や。
「それでるんや、俺から。ほなもうちょっとおもろい答え出せるやろ?大喜利は深いな」という思考に至るぞ。だから生きててもええんちゃうかなとは思う。

あとは勝手にしてくれ。偉そうにごめん。
オレは最強のフクロウになるからな。

よろしく。

では、過去の私、そして近い人、未来の人に伝えたいことを伝えたので終了します。

伝われ!!!!!!!

タナカフクロウ🦉

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