異人たちの館/折原一

 読了。ネタバレなし。

 なぜネタバレなしなのかというと、わたしの知能ではこの作品の概略を綺麗にまとめることができないからである。いや、いつも綺麗に概略を書けているのか甚だ謎だが。

 元々、この本は大学時代からずっと興味を持っていた本だった。しかし、丸善へ行っても見つからず、絶版になってしまったのかなと思っていた。ところがどっこい、先日丸善へ行ってみたらあるではないか。どうやら2016年に復刊したらしい。今日までそれを知らなかったので、出会うのがこんなにも遅くなってしまった。

 その内容は、意外性とどんでん返しの連続だった。最後に怒濤の勢いで明かされていく真実、ここで終わりかと思わせておいて終わらない物語。まさにあっと驚く展開だった。結末も意外性の塊で、しかし一番最初に伏線が張られており、それを最後の最後で回収していた。思わず「うわあ……」と声が出たほどだった。

 期待に期待をして読んだ本だったが、期待以上におもしろかった。こんなにも精緻に作り込まれた物語を読めたわたしはラッキーだ。復刊してくれてありがとう。この本に興味を抱いてくれてありがとう、過去のわたしよ。

 少し長い上に複雑な話ではあるが、本で驚きたい人におすすめしたい一冊。

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