二銭銅貨/江戸川乱歩

 読了。ネタバレあり。

 「私」と「松村武」という二人の青年の知恵比べである。ある日、とある会社から多額の金が盗まれた。その泥棒は後々捕まるのだが、隠しておいた金の在り処を絶対に言わなかった。「私」と松村武は経済的に困窮しており、特に松村武が金の在り処を探し出そうと奮起する。

 やがて松村武は、盗まれたと思われる多額の金を持って帰ってくる。しかし、その金は玩具の偽物であった。落胆する松村武に、「私」は言う。これはすべて「私」の策略だと。

 すらすら読めておもしろい話だった。深みやテーマ性があるかと言われればそうではないが、単純に話として楽しく読めた。

 普段から知恵比べをして競い合っていた二人。最後に勝ったのは「私」だった。「私」の考えた暗号、策略は見事だった。

 明智小五郎シリーズを知っているわたしとしては、この「私」という存在はもしかしたら明智小五郎なのかもしれないな、そうだったらロマンがあるなと思った。違うとは思うが。

 毎日なにかしら本を読もうと思ってできてないので、気合を入れるために読んだ一本だった。

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