見出し画像

病院実習8日目/管理栄養士は不遇。だからこそチャンス

病院実習8日目

調理が余裕で終わったので管理栄養士の方と作業しながら情報交換した。

やはり管理栄養士は給料面でも実務面でも不遇だった。副業も禁止らしい。5~6年目までほぼ上がらない給料。僕より2個下の彼は、とても行動的で、不遇から脱出しようともがいていた。逆に、商社で営業がしたいらしく、商社出身の僕が色々と喋ることになってしまった(笑)。
管理栄養士は専門性が高く、資格のバリューもあるのに、業界の外で活動しているひとが非常に少ない。だからこそ、管理栄養士と他の職能を相乗させて、ぶち抜けられたら確実に強いと思った。というか、そうするしか無い。


本日は午前は調理のポジションに入り、午後は外来栄養指導の見学をした。

今回の調理は、ミキサー食・ソフト食・やわらか食を担当するポジションであった。ミキサー食→ソフト食→やわらか食の順に次第に一般食の形態に近づいていくイメージである。

ミキサー食・ソフト食・やわらか食はパックの状態で納品されたものを加温して提供していた。ミキサー食は納品状態のものを加温するとゼリー状になる。それをミキサーにかけるが、その際に「トロメイク」という添加剤を加えることでとろみを付けていた。同様に、ミキサー食・ソフト食に主食として用いられている「ゼリー粥」は、粥に「プリンナール」という添加剤を加えることでゼリー状に加工していた。

また、これらの嚥下調整食は、提供数の増減が多く、調理中に数回にわたって増減が伝えられていたほどだ。増える要因としては、当院が急性期の受け入れをしているため、「救急入院の方が増えたため」や「手術後の患者様の分が加わったため」などが挙げられる。手術後にならないと食事の内容をどうするか判断しにくいためである。また、減る理由としては、管理栄養士などが現場の判断で食事形態のアップを決めた場合が挙げられる。食事療法をしている以上、なるべく一般食に近づけるようにチャレンジすることが好ましいからである。このような事情も急性期対応の総合病院である事による特徴であると感じた。

午後からは、栄養指導の現場に入らせて頂いた。
外来栄養指導ということで、患者様は主治医の先生の依頼で相談に来ていた。多くの方が、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を有する方々で、血糖値やTG、コレステロールの数値が高く、栄養相談にやってきていた。そのような方々に食習慣と運動習慣の改善を促すという内容であった。

①現状の体重の増減確認→②食習慣の確認→③食習慣についての改善ポイントアドバイス→④これから意識することを整理 という流れでカウンセリングが行われていた。当然ながら、患者様それぞれに食事がコントロールできていない事情があった。例えば、「3世代同居であることから大量の料理を作って、残った分はもったいないから全部食べてしまう」や、妊娠糖尿病の方で、「妊娠してからというもの、血糖値上昇対策のための間食で、急に甘いものを欲してしまっている」など。したがって、患者様の中でも、食習慣の改善に強烈なモチベーションを持っているパターンは少ない。

そのため、目指すべきところは食習慣の改善による病態の回復であるが、最も重要なことは患者様をその気にさせて行動変容につなげることであると感じた。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?