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「彼氏」と称したくないので結婚したい

相方を「彼氏」と称したくない、だから最近結婚したいなあと思うようになった。

「彼氏」「彼女」という言葉が、私達の関係を表すのには当てはまっていないような気がするのだ。
お互い恋愛感情はあれど入籍もしていない、一緒に暮らしているだけの人間なので「彼氏」という言葉が正しいのだけれど。もう少し段階を進めても「婚約者」というほど形式ばってもいないし、「夫」というのは時期尚早だし。

でも違う人格であることを認識しながら本音をぶつけ合ってお互い心から思いやっている(と思う)し、今だけではなくて将来も考えている(と思う)し、カレカノどころじゃねぇよ!オレらの絆なめんなよ!という卍の人格が出てきてしまう。彼氏って言葉、範囲広すぎない?

だからといって、「最近もう彼氏という感じじゃないなと思っていて、もっと分かり合っている感のある【夫】と呼びたいので結婚しました〜」というのもなんだか変なのかな?と思う。いや変なのか?人間の感情としては理想的な流れなのでは?

と考えている中で、関係を表す言葉は便利で不便だなと思った。

この世に今存在している言葉を用いることでしか、相手に伝える術がない。当事者だけが知る関係を、言葉という一般化をすることで共通言語を持つ相手に伝えることが出来る。

長々と補足するほどのことじゃない時こそなんとか既存の関係を表す言葉に当て込んでいるイメージなので、現存の言葉と実際の状態に多少のズレがあるときはちょっとした気持ち悪さを感じる。今回のも正にそれである。

更に、言葉の認知も受け手によって違うわけだ。「この人はこの言葉をどんな意味合いで受け取るかな?」なんて全部考え出したら会話なんて絶対出来ないけど、大事な人に関わることや譲れないことは気にした方がいいのかもしれない。

という話の結論でよくあるのが「本を読め」という着地だけど、語彙力を増やすことは根本的な解決策ではないと思う。どんなに語彙が増えても人間が増え続ける限り、このジレンマは起き続ける。

圧倒的うどん派なのに、蕎麦好きの私とお昼に蕎麦を食べてくれる。
そんな人を【彼氏】なんて呼称したくないのだ。

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