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幡野広志さんに聞く~安楽死制度を議論するための手引き09(中編)

論点:安楽死制度を日本で作っていくことは可能か?

 前回、「安楽死制度を日本で作っていくことは無理だと思いますよ。それは安楽死制度が完全に政治的イデオロギーになってしまったからです」と解説してくれた、写真家で多発性骨髄腫というがんの治療を続けている幡野広志さん。

 今回は、「安楽死制度に医者は関わらない方が良い」というところから話がスタートします。

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西:僕自身は、医者が安楽死制度を触れないようにしたほうがいいんじゃないかなって思っているんです。

幡野:確かに。それをやってしまうと医者の裁量で、患者さんをどんどん安楽死に送ることもできる・・・。

西:そうなんです。決定するのも医者、実行するのも医者、ってしてしまうと、どんどんと医者の側が「安楽死を施す理由」を正当化して、際限なく患者さんを死に追いやってしまってもおかしくないんじゃないかって。

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