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旧暦7月は交通事故に注意しよう!ベトナムのお盆のお話

 ベトナムには日本と共通する年中行事がある。たとえば、今の季節なら「お盆」だ。

 多くは中国由来、あるいは中国由来の行事にベトナムの土着的な信仰が習合したものなどがあり、ベトナムと日本との文化の共通性と相違に気付かされる。

 ベトナムでは旧暦7月15日をLễ Vu Lanとし、祖先の霊を供養する日とされている。盂蘭盆(うらぼんえ)のことで、日本では「お盆」として知られている。日本ではお盆休みとなり、都会に住む子どもたちは父母を訪ねて帰省する。ベトナムでも正月の次に大切な行事であり、みな帰省して父母や祖父母を訪ね、祖先の霊をなぐさめるため、祭壇に供物を備え、ご馳走を用意して、一族揃って会食をする。

 盂蘭盆はお釈迦さまの弟子の目連が餓鬼道に堕ちた自らの母を救うために、亡者救済の秘法を行い、母は餓鬼道を抜け昇天していったという故事に基づいたものとベトナムでは説明されている。

 ベトナムではまた、7月1日に地獄の蓋が開き、15日、つまり中元には地獄の蓋が閉じるとされ、その間は亡者の霊がこの世をさまよう。ベトナム北部では旧暦15日の日に野外に祭壇を設け、お祈りする人々の姿を見ることができるが、亡者が誤って家の中に入り込まないようにするためだそうだ。

 この2週間は亡者が生きている人を地獄へ連れて帰るため、事故などに遭わないよう気をつけよとも言われる。たかが迷信、されど迷信。交通事故には気をつけたい。

日本ベトナム友好協会東京都連ニュース「ハノイからの手紙」2023年9月号掲載

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