楽観性について
突然の仕事の依頼があった時、たまたま先週買った新しいエフェクトが効力を発揮したりする。
そんな時「このエフェクトを買ったから、この仕事の依頼があったのではないか」と考えてしまう。
セレンディピティとは、偶然をきっかけに何かを得てハッピーな気持ちになること。
「このエフェクトを買ったから」という考えは、セレンディピティを超えて運命論に近づいてしまっている。
だから冷静に考えるとバカバカしいのだが、どうも自分はこの楽観性に支えられて生きているらしいことに気づく。
星野道夫も言っている。
「人のこころは深くて、そして不思議なほど浅いのだと思います。きっと、その浅さで、人は生きて行けるのでしょう」と。
星野は自然に触れる喜びからそう感じたのだが、「人の浅さ」という意味では同じだと思う。
思い悩んでいたことのヒントが、読んでいた本に見つかった。
別の現場で人が話していたことが、今やってる仕事の解決策になった。
たまたま聴いていた音楽が、次の作曲のきっかけになった。
いずれも偶然でしかない。だが、悩んだ時間がある程度積み重なった時に出会った時だからこそ、その偶然が意味を持つ。そして、楽観性が意味づけを後押ししてくれる。
まずは悩まなければならない。そして動き回って偶然を待たなければならない。そしてそこに楽観性がなければならない。
災害時には楽観性が命取りになる、という指摘はもっともだと思う。しかし、平常時には楽観性が人を支えてくれる。今は2021年。非常事態が早く終わることを願う。
(BNN社「Logic Pro で曲作り!」より)
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