マーケティング戦略|FSPについて
Webマーケティングについては「TANOSHIKA HP作成」サイトにも詳しく掲載しています。
今回の記事では、マーケティング戦略|FSPについて書いてみます。
情報元は『マーケティング戦略』 野口智雄著 です。
優良顧客の維持・拡大策
顧客は重要ですが、すべての顧客が均等に重要というわけではありません。製品やサービスを多頻度に購買してくれる優良顧客を維持、拡大するため、利用頻度に応じて特典を提供する取り組みをFSPといいます。
FSP
★企業にとって好ましい顧客とそうでない顧客は厳然と存在します。好ましい顧客とは、企業自体や企業の作り出す製品やサービスに対してロイヤルティを持ち、多頻度かつ多額に商品を購入してくれる人々です。
★FSP(Frequent Shopper Program)は、このような優良顧客を大切にし、より親密度を高めるために利用度に応じて特典を付けていくという方法です。
★これの先駆けはアメリカン航空が1982年から始めたマイレージ・サービスだといわれています。これは一定のマイル数がたまると無料で航空券がもらえるというシンプルなものでした。
★その後、顧客にカードを作成させ、利用度をポイント化して、そのポイント数に応じてディスカウントや買物券を提供するという方法がカメラ店、パソコンショップ、ガソリンスタンド、百貨店、スーパーなどでみられるようになりました。ポイントカードは優良顧客を離さないという効果と同時に顧客の購買履歴を得ることができ、それを後のマーケティングに生かすことができるのです。
★しかし、安易な値引きポイントカードの導入によっては負担増になっている企業も多くあります。導入にあたっては費用対効果についてシビアな検討が必要です。
FSPの事例
楽天PointClubは4つのランクで特典を提供
FSPをもっとも効果的に活用している企業の代表ともいえるのが楽天です。楽天はECサイト、銀行、証券、電子書籍、旅行予約、キャッシュレス決済など多種多様なサービスを展開しており、それらすべてのサービスを会員制で提供しています。
楽天会員は楽天のサービスを利用することで楽天スーパーポイントをためることができ、たまったポイントはどのサービスでも利用が可能です。
さらに楽天は会員に4段階のランクを設けており、一定期間により多くポイントをためたユーザーに様々な特典を提供するなど優遇しています。まさにFSPの考え方です。
ランク最上位の「ダイヤモンド」になるためには、楽天カードを保有し、過去6ヶ月間に規定以上のポイントを貯める必要があるなど、厳しい条件が設定されています。その分、セールへの特別招待や誕生日ポイントの付与など多数の優待キャンペーンが用意されており、ヘビーユーザーをがっちりと囲い込んでいます。
また、これらの魅力的な優待キャンペーンを提示することで、ランクの低い会員に対しても「ランクを上げたい」と思わせる効果も期待できます。
三越伊勢丹グループのエムアイカードは購入額でポイント付与率変動
クレジットカードの最大の魅力ともいえるのが、買い物時に付与されるポイントです。三越伊勢丹グループが提供するクレジットカード「エムアイカード」は、通常の使用時にポイントが貯まるのはもちろん、三越伊勢丹グループ百貨店での買い物時はポイントが一気にアップする特典を提供しています。
例えばベーシックなエムアイカードプラスの場合、基本ポイントは0.5%ですが、三越伊勢丹グループ百貨店での買い物なら5%が還元されます。さらにユニークなのは、前年の年間買物額に応じて、ポイント付与率が変動すること。前年の購入額が30万円以上なら8%、100万円以上ならなんと10%ものポイント還元が受けられます。買い物するほどお得度が上がっていくFSPのお手本のような施策です。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。