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はは #2

私はあんまり母と仲良くない。物心つく前から反抗していたらしいし流行りの「友達親子」とは程遠い。大学で一人暮らしをするようになってようやくいい距離感を保てるようになったけど、雑談はしない。基本的に就職の話か健康(歯医者行った?とか花粉症の薬もらった?とか)しかしない。だから母が自分のライフステージについてどう考えているのか、よく知らない。

私大に通って簿記の勉強をして、公認会計士を目指したけど民間企業の事務職についた母は、同じ会社の父と結婚した。いつ退社したのか知らないけれど、多分私を妊娠した時に辞めて復帰しなかったんだと思う。それからずっと、20年近く専業主婦をしている。

最近よくネットの漫画で、「モラハラ旦那」や「育児・家事に協力しない夫」の話をよく目にする。うちの場合、父は家事を基本的にはしない。車を洗ったり家の結露を拭いたり、家中の雨戸を開けたり、自分の洗濯物を畳んだり、という程度の事しかしないが、母に言われたら(めんどくさがりながらも)反抗したりせずにする人だったと思う。育児もどのくらいしていたのかわからないがお父さんにミルクを飲ませてもらっている写真はある程度残っているし、一緒に昼寝をしている写真もよく残っている。

うちの父と母の場合、母は几帳面で要領が良く、家事が得意である。母はちょっと不器用な父が洗濯や掃除、料理なんかをするくらいなら自分がやりたいと思っていただろうし、実際朝から晩まで働く父に手伝って欲しいとそれほど思わなかったのかなと想像している。

父は家事は積極的にはしなかったけれど、子供とはよく遊んでくれた。牧場によく連れて行ってくれたし、絵を描いたり工作も一緒にやってくれたりした。手先が器用な父に何度絵を描いてもらったか分からない。

父はイクメンと言えるほど家庭ですごく頑張っていたかと言われると、まぁ文句なし、と言ったところなんじゃないかと思う。(母の評価を予想して)

我が家の大黒柱は父である。父は朝6時に家を出て、21時から22時くらいに帰宅する事が多かったように思う。仕事の文句を家で言ったりしないし、風邪で会社を休むこともほぼなかった。母は父の仕事に対する姿勢を尊敬していた。我ながら良い父だと思う。

母はこの20年間、専業主婦をしながら私と弟の子育てに尽くしていたと思う。弟が小学生の中学年になったあたりには趣味のスケートもしていた。朝、父と子供2人の朝ごはんを作り子供の弁当を作り、洗濯掃除をしてから車でリングに通っていた。忙しそうだったが楽しそうだった。怪我したあたりからあまり行かなくなって、気が付いたら辞めていた。私が高校に入り、塾代を払ったり大学の授業料・仕送りのために辞めたのではないかと思っている。

ここ5、6年が恐らく子育てが落ち着いて、でもお金がかかる時期であんまり趣味に打ち込む事もないのかなと思う。母はこれからの自分の人生をどんなふうに考えているんだろうか。若い時にどんな想像をしていたんだろうか。よく知らない。今はまだ弟が高校生で、大学受験を控えているからそれで手一杯かもしれないけど、母がどんな人生をこの後送るのか、ちょっと楽しみである。

それから、たくさんお金をかけて育ててきてもらった分、老後は生活の心配無く好きな事ができるようにしてあげたいと思う。

追記:文章上手くなれ、私

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