日本まるごと一億二千万人を召喚!?史上最大の異世界召喚漫画『日本国召喚』
【レビュアー/新里裕人】
コロナ騒ぎは相変わらずとどまるところを知らず、憂鬱な毎日を過ごされている方も多いかと思います。
この辛い現実を脱する手段はただ一つ!
そう、異世界に召喚されればいいのです!
レッツ召喚!!
……と、いきなりイカレた出だしで書き始めてしまいましたが人間、本当に辛いときは現実逃避をすればいいのです。そういう「癒し」だってあると思います。
小説や漫画の一ジャンルである異世界召喚モノは、この「現実逃避」を「サクセスストーリー」に置き換えてしまった点が大発明だと思います。
今回紹介するのは、この異世界召喚を最も大きな規模で行った漫画です。
召喚者はなんと「日本」!
日本の国が丸ごと、戦乱の続くファンタジー世界に召喚されてしまうのです。
架空の戦記物ノリの硬派な展開が楽しめる
主人公が「国」なので、キャラクターとしての固有の主人公はいません。
日本国からの外務官、エルフの使節団、自衛官、等々の登場人物が次々に登場して歴史もののノリで話が展開していきます。
亜人種を苦しめる人間たちの「帝国」をやっつけろ!
日本国が国交を結ぶのは、エルフの首相が納める亜人の国クワ・トイネ公国。
強大なロウリア帝国が着々と侵略の魔の手を伸ばしています。
面白いのは善良な亜人の人々を醜悪な人間たちの帝国が侵略している、という図式。
萌え要素はありませんが、味方に付くならかわいいエルフっ娘がいる方ですよね。
椅子にふんぞり返ったロウリア帝王とか醜悪な大臣とか、最初っから悪役感が満載です。
剣と魔法VS近代兵器のカタルシス
帝国は騎士団とワイバーン部隊を備えた数万の軍勢で攻めてきます。
迎え撃つは日本から派兵された自衛隊の部隊。
中世ファンタジー世界の戦力を「10式戦車」やら「AH-1S コブラ」やらの
実在する兵器でなぎ倒していくシーンには爽快感があります。
映画にもなった「戦国自衛隊」という作品がありますが、それのスケールアップ版ですね。
ちなみに原作は、みのろう氏が小説家になろうにて連載中の小説なのですが、ネット上にはデータベースが出来上がっていて、これを読むとさらに楽しめます。
こちらの年表がそれっぽくて良い!
ありきたりな召喚ものに飽きた人は、特におすすめです!