魔王・織田信長が無理ゲー「本能寺の変」に、残基無限で挑戦してみたら…『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』
【レビュアー/南川祐一郎】
タイムリープ、それは誰もが一度は願う夢
タイムリープと言えば、昔から世界中で多くの作品が作られていて目新しいものではないですが、『東京卍リベンジャーズ』のヒットによって今また盛り上がってますよね。
なぜこんなにこのジャンルは強いんだろうと考えてみると、まあ答えはすぐにわかるわけです。それは、人間生きていればみんな後悔を抱えたり、選ばなかった人生を夢想したことがあるからですよね。
あの時ああしていれば、もしかしたら自分の人生は変わっていたかもしれない。
今の人生にも十分満足していて、楽しく夢想してみるだけで済む人はとても幸せだと思いますが、おそらくほとんどの人は後悔と共に「できることならやり直したい」と願って、そんな願望がタイムリープというジャンルを支えているんだと思います。
『東京卍リベンジャーズ』でも酷い過去を変えようと奔走しているように、タイムリープものは結構ハードな結末を必死で変えるというストーリーが多いわけです。
多分タイムリープして過去をやり直したい人No.1
ハードな結末を迎えて、それを時を戻してやり直し、結果を変えたいと強く願っているであろう人といえば…。日本で一番有名なあの御方ではないでしょうか?
そう、天下統一を目の前にして部下に裏切られ殺された不遇の王、織田信長様です。
いろんな人にタイムリープチャンスが与えられるなら、彼にだってそのチャンスが巡ってきてもいいじゃないですか。
人一倍怨念とかありそうですし。
ということで、もし織田信長がタイムリープで本能寺の変を回避したら…という、タイムリープを描いているのが、今回ご紹介する『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』です。
このタイトルで分かる通りなんですが、信長様めちゃくちゃ失敗しますw
敵のみならず部下にすら悪行の限りを尽くした魔王と呼ばれる男ですし、時代背景的に主君と部下の関係性や身分などが当たり前にあった時代の話なので、よくある現代もののタイムリープ作品の主人公ならばすぐに修正できそうなことがまったくできないw
勝てば黒いものですら白に変えられる、そんな戦国時代ですから、「我が正義」「我が道理」という考え方は別におかしなことでもないですけど、そんな価値観の上にさらに輪をかけた絶対強者の魔王様なんで、失敗する度に読んでるこっちは爆笑。「信長ならやりそう~w」と思ってしまうのが、この漫画のよく構成された良さなんだと思います。
皆さんも、もしやり直したい過去があるなら、いつかタイムリープチャンスが巡ってきた時失敗しないよう、信長様と一緒に結果を変える正しい攻略を学んでおきましょう!