見出し画像

海外のバンドと日本のバンドの決定的な違い

送ったインタビューの戻しが来なくてnoteのネタをどうしようか日々考えております。
8割のバンドが現在ツアー中なので、戻しが一気に来た場合は翻訳地獄週間になりそうで震えてます…(笑)


さて、せっかくなのでこれまでの経験から何か残せないだろうかと。
今回はこれを書いていきたいと思います。

「外タレってどうしてあんなライブできるんですかね」
「音からして別格ですよね」
「どうしたらあんな風になれますか」

数年前に海外バンドを招聘していた時もよく聞かれていた言葉。
海外のバンドって凄いですよね、よく母国語違う場所にツアーに来てあれだけのパフォーマンスを魅せられるのでしょう。

結論から言いますね。
「ライブの本数が違う」ダントツの理由はこれだと思ってます。

例えばなんですが

アメリカのピッツバーグ出身のデスコア、Signs of the Swarm。
私の招聘で2年連続来日した稀有な子達でもあり、若手のアングラシーンの中ではこの数年で頭角を表してきたバンドの一つではないかなと思っています。

そのサインズですが、この4月にはWhitechapelと絶賛ツアー中。
なんと、一ヶ月出っぱなし。ほぼ毎日ライブしています。

これ、実はすごく重要な事だと思うんです。

「僕らと海外のバンド、何が違うんですか」と聞かれるんですが、圧倒的な経験値の差がまずそこにはあります。毎日毎日移動してライブしていれば疲れもするでしょうし、パフォーマンスに対する気持ちの入れ方も同じとは言えないかもしれない。
ただ、そこのブレの幅が最小限になる(お客さんに伝わらないレベルで)のがまず海外のバンドの強みじゃないかなと。
小さなことかもしれませんが、MCで喋る内容の反応やセットリストの曲順の反応、曲の入り方によっての反応の差を毎日リフレクションしていけば、より良いものを反復しつつ身に付けてゆける。

それがダントツで上手いなと感じるのがスコットランドのBleed From Withinですね。本当にブレない。

ただ、彼ら全力でツアーの時楽しむんですよ。
ヨーロッパツアーで何公演か帯同させていただきましたが、その時のヘッドライナーはOf Mice & Men。オブマイスがヘロヘロになるまで毎晩お酒に付き合ってましたが、Bleed From Withinは絶対に次の日もピシャッとライブをするんですよ。トッパーなのに。入りの時間も遅れない。
これはまぁ元々彼らが酒が強いってのもあると思うんですが(笑)、それを抜きにしても自分達がベストなパフォーマンスを行うための調整の仕方をちゃんとわかってる。それはきっと数々のライブをこなしてきた経験値からくるものだろうなと。

もちろん、日本の国土やライブハウスのシステムと海外はまた違うので
「そんな毎日ライブなんて…」
って思うかもしれません。

逆を言えば、毎日ライブをこなしている海外のバンドって
「毎日インプットとアウトプットができる」
ここが最大の強みなんじゃないかなと。
前日に一緒にツアーしているバンドの「ここがやばい、真似したい!」を次の日すぐに実践できる、しかも本番で。この経験の積み重ねはライブでのパフォーマンス力を鍛えるのに直結するのではないかと。
Parkway Driveのツアーに参加した時、「音作りとかシステムって…」と某バンドのギタリストと一緒に聞きに行った事もあるのですが、そういう情報交換もすごく勉強になる。それってネットでの情報だけじゃなくて、ツアーしてたからこそっていうのもありますよね。

日本のバンドはすごく技術的にも巧いと思います。
国民性もあると思うのですが、皆とても勤勉で真面目。日々いろんなものを聴いて練習してる、だから技術力は凄い。
ここに関しては例えばデスコアシーンの著名バンドと音源並べても、普通に日本のバンドの方がかっこいいと思う事、多々あります。
海外のバンド達も「日本のバンドすげえな」ってびっくりしてますもん。

もったいないと思うのは、そのアピール力。
言語の壁ももちろんあると思うのですが、露出が異常に少ない。
売れてきたら「ライブの本数を絞る」「出演するライブは選ぶ」これもよく聞くしアリだと思うのですが、まず音源やバンド名もあまり浸透していないバンドは『とにかく音源を作ってライブをする』——ここからなのでは?と思います。

Shadow of IntentのVo.Benくんなんて、バンド組みたてでライブもできなかった頃は、近辺にやってきたデスコアバンドのツアーにひたすら遊びに行っては「今度一緒にやりましょう」って声かけまくってました。
それが実力と合わさって、今のSoIの地位に繋がったと思ったら納得しちゃう。

もちろん人に声をかけるのが苦手な人や、古くからの伝統である打ち上げが苦手っていう内気な人がいるのもよくわかります。私も物凄い人見知りですから。(ツアーや取材行くときはかなり頑張ってます(笑))

だけど音源だけ凄いバンド、SNSの発言だけ素敵なバンド…知識ばかりを詰め込んで大きな先の目標ばかりを見つめすぎていて、頭でっかちになっていませんか?

ライブの日の動画、SNSで流れたのをRTして「やばい!」ってファンの人達に言ってもらうとファン層が広がりますよね。それならよりかっこいいライブができるようになっていた方が良くないですか?

個人的には海外も日本も同じ地球上だし同じ人間なので、そりゃ海外の人達の方が物珍しさは勝りはするけれど目線は同じだと思うのです。
やりようによっては、誰だってそのレベルに到達できる。それこそ海外で海外バンドと肩を並べて、同じペースでライブしてるCrystal LakeやCrossfaith、Paleduskってもうそのレベルだし、底力が別格だと思いません?

PRESSや招聘を経験して、「どこが違うのか」を聞かれた経験から今回はこんな事を書いてみました。


こんなこと知りたい〜等ありましたら、教えていただけると嬉しいです^^

読んでくださりありがとうございました!


私、Marinaの今後の取材や活動費、または各バンドのサポート費用に充てさせていただきます。よろしくお願いいたします!