高GI食と肥満の関係は思った以上に複雑だ
血糖値が上がりやすい食品=「高GI食」は太りやすい。
ダイエットの常識として語られている事ですが、実は医学的な根拠は希薄なようです。
米、パン、じゃがいもなどはGI値が高いから太りやすいと言われてきましたが、実はGI値の高さと太りやすさの関連は未だ証明されていないようなんですね。
私自身の指導経験でも「低GI」を意識した食事法でダイエット成功例が多いので、つい勧めたくなってしまいますが、根拠を尋ねられると実際困ります。
GI値と太りやすさに関連見られず
GI値とは、食べた後2時間の血糖値の上がりやすさを数値化したものです。
ブドウ糖を100とし、それに比べてどの程度血糖値が上がりやすいか?
代表的な高GI食品は、以下の通り
・食パン:95
・じゃがいも:90
・精白米:88
・にんじん:80
・山芋:75
これらの高GI食品は一般的に「太りやすい食べ物」と言われていますが、実はGI値の高さと太りやすさについては関連性が見られていません。
以下、ソースを紹介します。
砂糖のような単純な糖質と、とでんぷんなどの複雑な炭水化物 の肥満へのリスクを比較した結果、体重増加、体脂肪率、脂肪代謝異常において、両者に明確な差は認められなかった。このことは、砂糖の摂取は肥満に結びつかないことを示している。(W. H. M. Saris)
農畜産業振興機構
高GIの代表である砂糖と、それよりはGIの低い炭水化物を比べて、肥満リスクに差が見られないという話。
太りやすさはGIだけでなく、カロリーなどもっとわかりやすい基準で見たほうが良いでしょう。
やっぱりGI値と肥満は関係ある?
GI値の高い食品と太りやすさは関係ないという論拠を紹介しましたが、すみません、やっぱり関係あるようです笑
そもそも肥満リスクはGIだけではなく、高カロリーとか運動不足とか様々な要素が複雑に絡み合っていますよね。
そうした「交絡因子」も含めて調査すると、高GI食と肥満には明確な関連が見られるとされています。
ほとんどの研究でGIと肥満度には一定の関係が得られていないが、交絡因子を統計学的に調整した報告においては「有意な関連あり」と結論づけているものが多い。
Murakamiらは、18~20歳の健康な日本人大学生女子3,931人を対象に食事摂取頻度調査からの推定GIおよびGLとBMIとの関連を検討し(交絡因子調整)GI、GLのいずれも食物繊維摂取量とは独立かつ有意にBMIと関連することを報告している。
さらに、習慣的な食事における低GI群ほどメタボリックシンドローム関連因子(中性脂肪,空腹時血糖,HbAc,フルクトサミン)が有意に減少し、HDL―コレステロールについては有意に上昇するという結果は、多くの研究で支持されている。
食事のGlycemicIndexと生活習慣病一次予防
高GI食と肥満に明確な関連が見られたという話ですが、この要因は単にGI値だけによるものではありません。
高GI食を好むような人は大抵太りやすい生活習慣をしていたり、高GI食によってインスリン抵抗性が高まり、生活習慣病因子が高まることで肥満に繋がっていたり、複雑な要因が絡み合っています。
結局の所、高GI食と肥満は明確に関連付けられないものの、統計的に見れば高GI食を好む人は肥満リスクが高いと言って間違いないでしょう。
ついでに言うと、高GI食と肥満の関連は不明ですが、高GI食と生活習慣病の関連は確定的事実に近いようです。
ダイエットだけでなく、健康の問題として捉えれば高GIは避けたほうが良いのは間違いないでしょう!
GI値は食品選びよりも「食べ方」が重要
高GI食を避けると言っても、GI値の高いパンやじゃがいもを一切食べるなということではありません。
私はパンも白米もじゃがいもも大好きですし、それを食べられないのは苦痛です。
我慢することに苦痛を感じるようでは健康的とは言えません。
そこで大切なのが「食べ方・食べる順番」で、上記のような高GI食品を食べる時は、「ベジファースト」を意識して食物繊維を先に食べます。
先に食物繊維を胃の中に入れておいて、糖質に絡みつかせる事で血糖値の上昇を緩やかにできます。
食物繊維だけでなく、実はタンパク質や脂肪でも血糖値の上昇を抑える効果はあるようです。
タンパク質や脂肪は炭水化物より消化されにくいので、胃の中に長く留まって吸収を遅らせてくれるんですね。
このように糖質の吸収を緩やかにする食品を高GI食品と組み合わせて食べることで、血糖値の急上昇を防ぐ「低GI食」が可能なんですね。
この事は、食物繊維の一種である難消化性デキストリンを使った実験でも確かめられています。
高繊維食群は、高炭水化物食群に比較して、体重、肝臓、副睾丸脂肪組織重量、肝臓中の中性脂肪含量が低かった。血液生化学検査では、高繊維食群の空腹時血糖、総コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸がやや低く、高血糖および高脂血症の予防効果が示唆された。肝臓での遺伝子発現解析でも、高繊維食群での脂質合成酵素の発現量が低く、高炭水化物食による炭水化物からの脂質新生を抑制する効果が明らかとなった。
低Glycemic Index食による抗肥満、抗メタボリックシンドローム効果
マウスでの実験ですが、高GIの炭水化物だけを食べる群と、炭水化物と難消化性デキストリンを一緒に食べる群に分けた場合、後者の方が有意に太りにくい事がわかったそうです。
人間の実験では、ここまで明確に「抗肥満」を示唆した論文は見つけられなかったんですが、「炭水化物を食べる時は繊維と一緒」は、経験的にも有効なダイエット方法だと思いますよ。
私の場合、サラダを用意するのがめんどくさい事が多いので、難消化性デキストリン青汁を飲むことが多いです!
美味しいのは大正製薬で、ちょっと値段はしますがトクホの認証もあるしオススメできる1杯ですよ😃
詳しいレビューはブログでしています。
https://diet-safari.jp/taisyo-dexitrin-aojiru/
まとめ:高GI食はなるべく避けるに越したことは無い!
・GI値の高さと太りやすさの関係はかなり複雑
・高GI食を好む人は太りやすいのは確からしい
・高GI食品は食物繊維などと一緒に食べれば大丈夫!
・難消化性デキストリン青汁はかなり使える
以上、今回のまとめでした。
GI値が高いから太りやすいという話ではなく、食品単体ではなく食事全体の内容と食べる順番を意識して「低GI食」を心がけるのが、健康にもダイエットにも良さそうです♪
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