ガーナ🇬🇭産科病院実習

こんにちは!ガーナで1ヶ月間臨床実習&公衆衛生実習をしてきたmaiです!今日は産科病院実習での経験について書きたいと思います。

産科病院で一番驚いたことはマラリアやDM、高血圧合併妊娠などハイリスク妊娠を含むほとんどの症例をmidwife(助産師)だけで対応していたことです。助産師もプロトコルに従っている限り、こうした合併症の薬までも処方して投薬する資格があるそうです。ということで壁にたくさんのプロトコルが貼ってありました。

そして私が実習した病院は産婦人科医は1人も常駐していませんでした。代わりにgeneral practitioner(総合診療医のようなものでしょうか) が1人常駐しており、なんと彼が帝王切開や子宮摘出までもやってしまいます。妊産婦死亡率は184カ国の中ガーナは34位と、上位50カ国以内に入っており、世界の中でも妊産婦死亡率が比較的高い国なのでまだまだ工夫しなければなりませんが、日本の産婦人科医不足問題も他科や他医療職の教育によって解決するのだろうか・・・と思ったりもしました。

カラフルなスクラブの助産師さんたち

設備については、胎児心拍陣痛図のようにお腹に巻くだけで継続的に胎児の様子を見れる機械はもちろんありません。超音波心音計で手動で繰り返し測るのみ。明らかに徐脈の場合は判別できても、変動一過性徐脈とかの判別はどうしているのかと聞いてみると、1分間継続して計るから変動もわかると言っていましたが本当でしょうか・・・。機械もぼろぼろで普通に変動しまくっていたので正確に測れているのか怪しいなと思いました。肥満の妊婦さんは値すら表示されていなかったし。
陣痛の回数は10分間手でお腹を触っておいてお腹の張り&痛みがある回数を数えて測っていました。とっても原始的。
マンパワー命って感じですよね。
分娩はガウンなし、アイガードなし、短い手袋のみで行います。でも助産師さんたちはそれに慣れていて、手際よく眼に見える暴露はほとんどありませんでした。すごい。

分娩台はこんな感じ。1部屋に3つベッドがあり、プライバシーはないですね・・・。ただプライバシーが病院に必要という考え方がおそらくないので患者さんも特に不満に思ってはいないと思います。これを文化の違いと捉えるか、遅れていると捉えるか。分娩中は患者さんを平気でビシバシ叩いています。これを喝入れと捉えるかケアの精神の欠如と捉えるか。ここにも民族性のようなものがあるので一概に悪いこととは言えないかもしれませんね。分かりません。

ちなみに私の留学中最後の1週間というときになんとラッサ熱という体液暴露で伝播する1類感染症がガーナで流行し始め、最後の1週間で産科実習のスケジュールを組んでいた人は実習中止になっていました。助産師さんたちはそんな中でも手袋1つで分娩を遂行しなければならないと考えるとやっぱり防護具の確保は急務ですね。

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