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クリスマスの12日間 アドベントカレンダー

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いつかって、今さ(しれっ)。今年はもうちょっと、クリスマスが続くようですよ。
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#アドベントカレンダー

おわりに

 クリスマスの12日間、いかがでしたでしょうか。  今年はアドベントも、ずいぶん長くやって…

tmk
2年前
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12.鼓打ち叩き行く偽の姫

 人間が何かと対して争うとき、旗印に好まれるは乙女である。  『民衆を導く自由の女神』、…

tmk
2年前
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11.笛鳴らす虫乙女

 鳥というのは不思議なもので、殻から這い出してすぐにでも、囀る歌を知っている。  ヒトの…

tmk
2年前
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10.高貴の義務により跳ぶ十人

 あるところに貧しい土地がありました。  もちろん、元から資源に乏しい場所だったわけでは…

tmk
2年前
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9.九人の踊る淑女

 世に芸術は数あれど、その根底にあるものはひとつ、交流だ。  つまり、コミュニケーション…

tmk
2年前
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8.カフェテリアにて牛乳を語る

 わあ、久しぶり。元気元気、そっちは? そう、よかった。本当、規制規制でなかなかねえ。今…

tmk
2年前
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7.泳ぐ白鳥の背に

 7番目の元素は窒素、これの由来は窒息からきているらしい。  空気中にもっとも安定して存在するもの、しかしそれだけでは息ができず、生きられないもの。たぶんそれにヒントを得たんだね。それとも逆で、元素のほうが後からつけられた名前なのかもしれない。まあ、それは話に直接は関係しないんだが  ある人気のない森の中、泉に七羽の白鳥がいた。  飛んでいったりせずにね。なぜかって、あの大きな水鳥が飛翔するに、滑走のための水面が足りないんだよ。だからどこへも行けず、いつもそこにいる。も

6.ガチョウ抱く卵のひとつ

 六羽のガチョウが巣に座り、それぞれ卵を抱いている。  アヒルじゃない、ガチョウだよ。似…

tmk
2年前
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5.五つの指の輪

 手を見なさい。  そう、五本指がある。両手をあわせれば十本だ。  でもこれは必ず、片手…

tmk
2年前
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4.四羽のむくどり(あるいは鳴く鳥)

 へえ、最近はそういう宿題があるんだねえ。  わたしの時は戦後体験を聞くって、じいちゃん…

tmk
2年前
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3.三羽のフランスめんどり

 三羽のフランスめんどりがいたそうだ。  最初は店にだよ。え? 家畜を売る店さ。子豚とか…

tmk
2年前
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2.キジバト二羽

 ある森に、キジバトの夫婦が住んでいました。  いいえ、街で見るような、汚れたあの鳩とは…

tmk
2年前
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1.なしの上のヤマウズラ

 昔々ある山に、一本のなしの木があった。  それは山のほとんど頂点近くにあって、日当たり…

tmk
2年前
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クリスマスの12日間

 クリスマスの12日間は聖夜から公現祭、一月六日までの間に、恋人からの贈り物がひとつずつ増えていくのを、積み上げるイギリスのキャロルです。 例えば、12日目はこう。 ”クリスマスの12日目、恋人が私にくれたのは 12人の太鼓を叩く鼓手 11人の笛を鳴らす笛吹き 10人の飛び跳ねる貴族 9人の踊る貴婦人 8人の乳搾りする女中 7羽の泳ぐ白鳥 6羽の卵を抱くガチョウ 5つの金の指輪 4羽の鳴く鳥 3羽のフランスめんどり 2羽のキジバト そして1羽の梨の