4/21 どうぶつの森マスターブレンド(ピジョンミルク抜き)

 朝、ソファに座ってぼーっとしていると、旦那さんがひとつのコーヒードリッパーを持ってきて、それを見せびらかすようにしながら目をきらきらさせて言った。
「今日は、『どうぶつの森』のマスターブレンドを淹れます!」
 この前までやっていた『どうぶつの森』一番くじの景品で、喫茶ハトの巣のマスターの柄が描かれていたコーヒーサーバーセットと同じ型のドリッパー(HARIOのteco)を使ってコーヒーを淹れてくれる、ということらしい。

 そもそも、マスターが使っている豆は何なのかとか、いろいろツッコミどころはあるのだけれど。それよりも何よりも。
「マスターは、仲良くなったら、『ピジョンミルク、お入れになります……?』って聞いてくれるけれど、あなたのにはピジョンミルクは入らないじゃん」と、反論してしまった。すると、
「ピジョンミルクって何よ?」「えー、鳩乳(ハトチチ)でしょ」「ハトチチって何よ」「鳩の乳じゃん」「鳩、卵から生まれて、ミルクなんてあげなくない? そもそも何よ、ハトチチって」「……(言われてみるとたしかに……)」

 マスターが初めてピジョンミルク入りのコーヒーを淹れてくれてから早何年、その正体を気にしたことは……過去にもあった気がするけど、すっかり忘れてしまっている。あらためて調べてみた。

 ……世の中には、知らない方がしあわせなことも、ある(参考リンク:鳩が子育てのときに与えるピジョンミルクとは?)。そうだった。思い出した。昔マスターと仲良くなって初めてピジョンミルクブレンドを淹れてもらったあとにも、「ピジョンミルクとは何ぞや?」ってなって、調べて、「マジか……」ってなって、それでマスターにピジョンミルクを入れるか入れないか聞かれたときの選択肢で、お断りの方のセリフが「入れないで!」と、のんびりふんわりした雰囲気の森の生活の中ではちょっと違和感のある結構強めな表現だったことに、ものすごく納得したんだった……。マスター、どうやって入れてるんだ、ピジョンミルク。キッチン裏で、カップに直接? 想像したらダメなやつだった。調べた当時、衝撃を受けたのに、すっかり忘れていた。事実を知ったあとは、ピジョンミルクを入れるのは、数回に1回になってしまったのだった。

 今回も、初めて調べたときと同じように衝撃を受けた。人間は忘れる生き物。今回は旦那さんにも衝撃の事実をシェアした。いっしょに驚いてくれる人がいるっていい。事実を知った旦那さんもショックを受け、絶句したのち、「……うちのは、ピジョンミルクは入りません」と、普通に牛乳を入れた『マスター(と同じドリッパーを使いました)ブレンド』を淹れてくれた。旦那さんの淹れてくれたマスターブレンドは、いつものコーヒーと同じようにおいしかった。

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