7/22 だめな日を受け入れる

 左手の親指の根本のところに3ミリくらいの細いささくれができていた。一度気がつくと気になって、ちょいちょいと触って、そのとがり具合を堪能して遊んでいた。ふっと、ある瞬間、魔がさしたのだろう、ささくれを右手の人差し指と親指でつまんで、一息にひっぱって、剥いてしまった。今剥けているところだけ千切れれば大成功で、ちょっとささくれ部分が広がってしまっても、まぁ仕方ない、くらいの気持ちだった。それが、想像以上に痛い。空気が沁みる。ひりひりする。血は出ていないけれど、穴があいているように見える。ほんの数ミリのくせして、地味に涙がでそうなくらい痛い。手近にあったラベンダーのエッセンシャルオイルを気休めに塗ってみた。たしか鎮静効果があったはずの香りで、気持ちの方は少し落ち着いたような気がするけれど、痛みの感じ方にはあまり影響がなく。左ひざの下に左手ごと入れて、ひざを畳んで、ふくらはぎと太ももで圧迫して痛みを紛らわせる、という方法をとった。片膝を立てたような謎の体勢でスマホを眺める、お昼前の時間。ささくれを、おとなしく爪切りをだしてきちんと処理すればよかったのだ。自分でやったことの結果、なんだか間抜けなことになっている。やれやれ。ためいきがでた。

 やれやれ、って言うと(書くと)、村上春樹、って思う。それってすごいことだなぁ、と思う。人に結びついた言葉。言葉と結びつく人。自分に結びついている言葉、なにかあるだろうか、なんて考えてみる。

 いよいよ免許の更新に行かないと、そろそろ更新期限が迫っている。今日は「今日こそ行こう」と決めていたのだけれど。なんだか外に出ていく元気がなく。体調もあまり優れず、というか、理由はわからないけれど、体力ゲージが今日は最初から減っている。

 「行きたくないー」「でも行かなきゃ」を何十回と繰り返し、その間、なにも手つかずで。14時過ぎ、ついに「今日はもう行かない!」と決めた。断念。今日は免許の更新に行かない代わりに、家のことをやろう、返却期限の迫っている図書館の本を読み切ろう、と決めた。ら、やっと気持ちが晴れて、動き出せるようになった。免許の更新手続きを、どれだけ苦に思っていたんだ、と。そして、今日やらなかったその手続きは、明日以降の自分の宿題に回しただけで、結局自分に降りかかってくるという事実。

 でも、だめなときはだめだ。がんばれない日もある。そういう日もある。今日はそういう日。あきらめて受け入れたら楽になった。今日はもう閉店。ゆっくり休む。明日以降がんばろ。

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