12/11 動く気配

 最近、友達の転機の話をよく聞く。結婚に引越、転職に異動に昇進。年齢的なものもあるし、年末だし年度末が近いという時期的なものもあるしで、みんなそういう流れの中にいるのかなぁ、と。

 自分も、そろそろ動く時期なのかもしれない、と最近思い始めた。今やっている仕事が端境期にきていると感じるし、そろそろ出揃い始めた来年の占いも、行動に移す方に背中を押してきているように思える。

 ずっと抱えてきたしんどい思いも、そろそろ考えに考えて考え尽くしてもういいだろう、と思えるようになってきた。受け入れたのか諦めたのか。「なんで」とか「どうして」ばっかりだったのが、「もう考えたってしかたない」「時間は戻らない」「今更どうにもできない」「やるだけのことはやった結果がああだった」と思い始めた。ようやっと、時間薬がしっかり作用してくれたみたいだ。関わった人たちに対する気持ちのしこりはまだ消えないけれど、わたしの人生に再登場しなければ、もうそれでいい。

 そんなことを、今日会った友達に話してきた。今までの経緯を全部話してきたので理解してくれている友達は、「そうだね、1年半くらい休んだし、動き出すのにちょうどいい頃合いかもね」と言ってくれた。

 前職を辞めてからというもの、就職する、ということを考えたことは一度や二度ではないけれど、そのたびに、「もういろんな人の思惑が渦巻いている職場で働くのはしんどくていやだ」と思って、行動に移すことはしないできた。在宅で働いて、仕事量を増やしたりスキルを磨いていったりして、少しずつでも収入を増やしていけばそれでいいんだよ、と自分に言い聞かせてきた。

 ただ、家でひとりで仕事をしていくうちに、職場で人といっしょに働くよさも思い出してきた。なんてことのない雑談や、ちょっとした相談、息抜きのおやつタイム、大きくは同じ目的に向かって頑張っている仕事仲間の気配の中で自分の役目をきっちり果たすことのたのしさ。

 職場で働いていると自然に発生する『ちょっとしたコミュニケーション』に餓えているのかもしれない。家にひとりでいて、ときどき、さびしいな、と思うようになってきた。ひとりが好きだけれど、ずっとひとりはやっぱりさびしい。

 そんな心境の変化があって。前職を辞めて以来、初めて、履歴書と職務経歴書を作成してみた。どうなるのかはわからないけれど。とりあえず、自分も動いてみる、みたいだ。結局動かないかもしれないし、動くかもしれないし。ひとまず、自分の感じる流れに乗ってみる。

 旦那さんが言った。「動いてみてだめでも、何も失うものはないんだから」。なるほど。ごもっとも。「失うものは何もない」。しばらく、心にスローガンとして飾っておくことにする。

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