10/21 髪を切りに行ってきた

 髪の毛を切りに行ってきた。ずっとショートカット一辺倒だったけれど、わたしにしては大分伸びていてこのまま切っちゃうのはもったいないのと、季節的にも少し伸ばしてもいいかもだし、少し雰囲気を変えたい欲がでてきたので、いつもよりは少し長めに仕上げてもらった。ショートボブ? もう10年以上通っているのに、担当美容師さんがわたしの髪の毛をさくさく切っていくその手元は、いつまでも見ていて飽きない。鏡越しに無言でずーっとはさみが動くのを見ている。

 それにしても、ヘアサロンの鏡台前ほど自分の顔とじっくり対峙することになる場所って、他にあまりない。正面には、嫌が応でも自分の顔。美容師さんの手元に見入っていても、やっぱり自分の顔は視界に入っているわけで。欠点というか、弱点というか、コンプレックスが目につく。「眉毛の描き方失敗しちゃってて、左右対称じゃないな」とか「顔が赤いな」とか、「あごまわりが四角くなってきた気がする」とか「唇下から輪郭までが長いな」「目の形が左右で違うの、まじまじと見ると気になるな」「顔のパーツが真ん中に寄ってる」等々、挙げだしたらキリがない。自分の顔の気に入らないところに気がついて気が滅入って、美容師さんの手もとを見てはさみさばきにほれぼれし、また自分の顔の欠点を見つけて凹み、美容師さんに扱われている自分の髪の毛を見たらいつになくつやつやさらさらでうれしくなって、また自分の顔に自分でダメ出しして……基本的にずっと黙ってされるがままになっているのだけれど、その実、頭の中は気持ちが上がったり下がったりなかなか忙しい。髪の毛を切ってもらっている間中、気持ちの上下運動を繰り返して、最終的にはさらさらきれいに仕上げてもらった自分のヘアスタイルを見て「この髪の毛に見合うくらいに(できるだけ)美容方面もがんばろう」という気持ちになる。それでいつも帰り道にあるドラッグストアに立ち寄る。コスメを、買ったり買わなかったり。今日は、気になる色のリップを見つけたけれど、買わなかった。

 帰ってきて、今髪の毛を触っても、手触りがいつもと違う。ひっかかりがないし、やわらかいのに、芯がある感じ。自分でやるのと、何が違うのか……って、工程は全部見てたから知ってる。違うところだらけなんだけれども。自分ではできない。サロン帰り3日くらいはがんばって真似してみるけれど、できない自分に戻る、の繰り返し。

 サロンで使ってもらったトリートメントのおかげで、髪の毛をさわるといい香りがする。ハーブ系の香り。髪の毛のところに、すごい美人さんがいるような気分だ。

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