2/27 高熱を出したかった

 やっぱり、風邪だった。朝起きたらのどの痛みレベルが相当高くなっていた。仰向けに寝転んでいると、唾液を飲み下すのがつらい。横向き寝にすると、ちょっとマシ。立派な風邪ひきになってしまったので、午前中は横になって過ごした。とろとろと眠っているあいだに熱を出したみたいで、起きたときには少し汗ばんでいた。

 1年に1回くらい、しっかり風邪をひいたりインフルエンザにかかったりして熱を出すというのは、免疫力が高くなっていいらしい。そのようなことを言っている文章をどこかで読んで、その後軽く熱を出したら、数か月間にわたって気になっていた胸の奥にあった謎のしこりがあっさりとなくなり、自分の中で『たまに熱を出すのは健康のためにいい説』の信ぴょう性が高まった。

 わたしは一度風邪をひくと大分長引くのだけれど、熱を出す系の体調不良には滅多にならない。30数年間生きてきてインフルエンザにかかったことも1回……2回だったかしら? かからな過ぎて覚えてもいない。そんな熱出さない系のわたしが、『健康のために熱を出したい』という変な欲望に駆られて、今年の冬は、インフルエンザ大流行中に人混みに出かけるときには、人からインフルエンザウイルスをもらうため、あえてマスクをつけずにいた。結局インフルエンザにはかからなかったけれど。今冷静になって考えると、いっしょに暮らしている旦那さんにかかる迷惑とか何も考えてないっぷりが恐ろしい。

 今思えば本当にどうかしてたんだと思うのだけれど、高熱を出すためにインフルエンザにかかりたくて、『インフルエンザ かかるには』みたいなワードで検索したこともあった。出てきた結果は、マスクをしないなんて序の口で、病院の手すりをなめる、みたいな方法も出てきて。しかも実践者までいた。「わたしは熱出したくても、そこまではできないな」と少し冷静になったりもした。手段はもとより、インフルエンザにかかりたいと思った仲間が一定数いて、その情報が発信されていることについて、自分を棚に上げてびっくりした。みんな、高熱出してでも会社やら学校やら休みたいんだなぁ……と。社会が病んでる。

 さて、熱を出して、体の中で免疫系ががんばってくれたのか、のどの痛みはピークを越えたし、体もなんだかすっきりしている。ついさっき、透明なさらさら鼻水がつーっと出たから、風邪の症状も終息に向かっている予感。やっぱり、実際に体調を崩すと、健康のありがたみが身に染みる。高熱を出すためにインフルエンザにかかりたい、なんて、絶不調じゃないからこそでてきた発想だな、と。元気いっぱい! までは望まないけれど、体の不調が気にならないくらいの落ち着いた健康状態でいたいわねぇ。

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