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犯罪のチームワーク

山手線の車内で、泥酔して寝ている男性から高級腕時計を盗んだとして男2人が逮捕されました。
男性は酒に酔って座席で寝ていた。同課は、車内のカメラ映像などから36歳の男が見張りをし、25歳の男が介抱するふりをして盗んだとみている。25歳の男は逮捕容疑と同じ日、別の20代の男=窃盗罪で起訴=と共謀して他の駅でも窃盗をしたと同課はみている。
酒に酔って寝込んだ人のバッグや財布を盗む「仮睡者狙い」について警視庁は昨年、1284件を認知した。うち半数以上が列車内での被害とみられるという。
過去には、電車や駅などで面識がない人物同士で共謀し、同様の窃盗事件を起こした例もあったという。


19年ほど前、高校生だった私も似たような被害に遭った。
1/2の昼間、新宿駅から渋谷駅の山手線。
向かいに、私と年の変わらなそうなギャルが2人座っていた。
妙にこちらを見ていた。

私は当時、雑誌のモデルだった為
他人に見られることに慣れていた。(偶然の悲劇1)
正月というのもあり、私のお財布には6万円が入っていた。
お年玉である。(偶然の悲劇2)
その年の正月、某銀行ATMが使えないということで
そのまま現金を持っていた。(偶然の悲劇3)
当時の恋人が1/2が誕生日だったので、私はプレゼントを買いに渋谷へ向かっていた。(偶然の悲劇4)

渋谷駅で降りる時に、2人のギャルは私を挟むように前後に立っていた。
確かにこの時、違和感はあった。しかし、それもドアが開くまでの一瞬である。

直後、改札から降りようとしたら切符がない。
というか、財布がない。
すぐに先ほどの2人に盗まれたことに気がついたが
もう遅い。

まず財布を盗まれたのは初めての経験だった。
しかも普段は、こんなに現金を持ち歩いていない。
混乱したが、
とりあえず駅から出られないので
誕生日である恋人を呼び出し、お金を借りて降りた。
その後は警察へ行ったりなんやらかんやら。
恋人の誕生日どころではない。
1/2、正月どころでもない。

まだ高校生だった私は、当然親からも怒られる。
盗まれたお金がお年玉だったからである。
本当なら、庇ってもらいたいが
親が怒りたい気持ちもよくわかる。
何より私が一番罪悪感を抱いていた。この上なく悔しさも感じていた。

その後、財布はあっさり見つかった。
現金だけ抜き取られ渋谷駅のゴミ箱に捨てられていたそうだ。

要は、彼女たちは盗んですぐに現金だけ取り出し財布は捨てた。
プロである。
しかし、よくある犯行だとも言われた。

私は、年があまり変わらないであろう女の子2人による慣れた犯行ということに
妙な悲しみを抱いた。