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恋は臆病


2024.01.22

人生で初めての告白に
眠れなかった。

人は、こんなに勇気のいることをこなしているのかと思うと
頭が上がらない。
よく「結婚する気ないなら別れて」と、妙齢の女性が恋人に決断を迫る話を
聞いたが
若かりし頃の私は
「え????!!好きなんだよね?好きな人に、別れの選択迫るの?」と
「私が男だったら、そんなこと言われたら萎えるわ」と
信じられなかった。
本当に信じられなかった。

私の父は、東京の商社で働き
母は関西で秘書をやっていた。
今の時代では考えられないが、顔が良い女性は希望してなくとも秘書をやらされ
さらに会社対抗のスポーツの試合ではチアガールまでさせるという‥。
昭和ですな。

しかし、その会社対抗の試合で
父は母に一目惚れをし
「結婚してくれなきゃ地下鉄に飛び込む」と言い
3ヶ月後には結婚していた。
面白いと思って聞いていたが、脅しである。

が、私にも、その血は流れていて
この告白が失敗したら清水寺から飛び降りようと考えていた。

私の逆プロポーズ大作戦は
叔父が1番の相談相手だが
「君に必要なのは
1度ダメでも、2度3度トライする強さだよ」
「今ダメだったとしても時間は流れる、状況も変わる
その時にもう1度言えるか
そのくらいの気持ちでいないとうまくいかないよ」

ぐうの音も出ない。