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熱々の料理を食べてもらいたいけど、なかなか食べてくれない人たちへ
料理の美味しさは決める要素の一つに「温度」がある。
私たちの家庭は、訪れる友人に対して料理を振る舞うことがある。美味しく食べてもらいたいと、いまだに試行錯誤を続けている。
もてなす側としては、出来たてが美味しい料理は、できればすぐに食べてほしい。でも、食べる側は遠慮しながら、料理に手が伸びないなんてことがある。
以前、友人たち3組遊びに来てくれたことがある。その時は、カレーを3種類用意した。グリーンカレー、キーマカレー、あともう一種のカレーを。
私たち夫婦は熱々が美味しいからと、熱々のカレーをそれぞれによそって皆の前に提供した。
「熱々が美味しいので召し上がってください」
と、声をかけるが、なぜか互いを牽制し合いながらスプーンが動かない。見ている私たちはハラハラしているけど、それ以上は何も言うことはできない。
この時に明確に気づいたことがある。それは料理の美味しさの一つに「温度」があることだ。お店に食べに行けば、出来たて熱々で食べることができる。
美味しいラーメン屋さんは、どんぶりを温めてから盛り付けている。美味しいコーヒーも、一度カップを温めている。
ちなみにイタリアンは冷めるとチーズが固まったりして、味が変わってしまう。出来たてを冷めないうちに食べるのが美味しい。
でも、家庭料理はそうはいかない。いくつかの料理を作ると、食卓に全部並ぶまでに時間差がある。家族が椅子に座るにも時間差がある。熱々で一番美味しいまま食べてもらうのはけっこう難しい。
話をもとに戻す。
おもてなしでは3種のカレーの失敗を教訓とすることができた。おもてなしを受ける時、互いに遠慮し合うのは当然のことだ。でも気づいたのは、最初の一口を食べ始めたら、あとはパクパク食べ続けている。
最初の食べ始めがゆっくりなだけで、食べ始めたら遠慮もなくなってくる。そうか、熱々の料理を最初に出さなければいいんだ。
代わりに、前菜を出せばいい。
初めて前菜の大切さがわかった瞬間だ。
美味しいものを美味しく食べてもらうための雰囲気作りに、必要なものが前菜だと分かった。
それ以来、熱々で美味しいものを食べてほしい時は最初に出さないようになった。
前菜からはじめる。
▼編集後記として
誰かと食べる食事は美味しい。「美味しいね」と言い合いながら食事ができることは幸せだ。そんな時は、料理の温度は気にならなくなる。むしろ、心が暖かくなる、そんな時間を大切にしていきたい。
2024年6月25日
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