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マンション購入記#4 買付依頼書の提出

物件を購入したい場合、買付依頼書(買付証明書)を提出し、売主に購入の意思を示します。
買付に条件を付ける場合は、買付依頼書に記入して提出します。
買付依頼書自体は仲介業者が記入してくれると思いますので、特に心配はいりませんが、事前に決めておかないといざという時に判断できない可能性がありますので、ご注意ください。

買付依頼書のサンプル

前回の記事はこちら。


買付依頼書提出までに知っておくべきこと

買付依頼書とは

買付依頼書は、購入希望者(買主)が当該不動産を買いたいという意志を正式に示す書類です。
買付依頼書を提出することで、売主側に対して具体的な購入の申し出を行うことができ、交渉の出発点にもなります。
なお、買付依頼書には法的な拘束力はありませんが、不動産取引においては重要な手続きの一つです。
正当な理由なく、買付を止めることは関係者に多大な迷惑をかけ、自身の信頼を失うことにもなりますので、"取り合えず提出しておく"、みたいなことは控えた方が良いと思います(提出後に交渉が始まりますので、その結果条件が折り合わずに購入を止めるということは問題ありません)。

提出までのスケジュール

買付依頼書の提出について、明確な期限はありませんが、購入を決めたらなるべく早く提出する方が良いかと思います。
基本的には、買付依頼書が提出された順に交渉権を持ちます。
特に、中古不動産はスピード感が大事だと言われますので、少しでも早く提出できるように動くことをお勧めします。
仲介業者からは、僅か数分の差で2番手になってしまい、希望の物件を購入できなかった方がいるという話も聞きました(ポジショントークもあるかもしれませんが。)。

ちなみに私の場合は、内覧から買付依頼書提出まで1週間でした。
後から知ったのですが、ほぼ同じスケジュールで動いていたライバル(他の購入検討者)が1名いたとのことでしたので、仲介業者の話もあながち間違ってなかったかもしれません・

提出までに決めておくべきこと

買付依頼書には、購入金額や条件、そして契約日や決済(引渡)日などを記入します。
従って、提出時にはどういう条件で、いくらで買うのかは必ず決めておく必要があります(後述参照)。
契約日や決済日は、提出時に仲介業者と相談しながらその場で決めても良いですが、手付金は契約日までに用意しておく必要がありますし、現在の住まいとの兼ね合いなどもあると思うので、ある程度は自分で考えておいた方がスムーズに進むかと思います。

買付までの事前準備

いざ良さげな物件に出くわしても、やはり買付依頼書を提出するまでには不安が伴います。
良いと思った物件は速やかに購入判断ができるように、私が内覧から買付依頼書提出までの1週間で行ったことは以下の通りです。

仲介業者との密なコミュニケーション

  • 購入に前向きな意思があることを伝える
    仲介業者を味方につけることは今後のプロセスを進めていく上でも極めて重要です。
    そのためにも、物件購入を本気で検討する場合、前向きな意思があることはしっかりと伝えましょう。そうすることで、仲介業者からも素早く動いてくれます。特に、中古物件の場合は他にも購入検討者がいる可能性も高いですから、物件に進捗があればすぐに教えてもらえるような関係を作っておいた方が良いと思います。
    私は買付までの1週間ほぼ毎日仲介業者と連絡を取ってました(業者がお休みの時は除く。)。

  • 提携銀行での住宅ローン仮審査申込
    既に仮審査は自分で行っているかと思いますが、仲介業者に提携銀行を紹介してもらい、そちらでも住宅ローンの仮審査を申し込んでみましょう。
    (むしろ、仲介業者からそうするように勧められる可能性の方が高いです。)
    提携銀行は、自分で申し込むよりも優遇された金利が提示されたり、緩い条件(個別事情を勘案)してくれたりするので、余程の理由がない限りは提携銀行に仮審査を出してみることをお勧めします。

  • 見積書とスケジュール表の作成依頼
    物件購入には物件価格以外にも様々な初期費用がかかります。
    これらの費用を見誤ると資金計画が崩れてしまうので、仮審査と合わせて仲介業者に確認しましょう。(必要に応じて初期費用も含めた融資も検討)
    また、決済(引き渡し)までの全体像を把握するため、今後の流れや必要書類などを一覧化したスケジュール表を用意してもらうと良いと思います。

各書類・情報の入手(仲介業者経由)

  • ハザードマップ/災害履歴

  • 総会議事録

  • 管理規約集

  • 長期修繕計画

  • 付帯設備確認表

  • 物件状況確認書

  • 成約事例集
    前回の記事でも触れた通り、これらの書類は既に依頼しておりましたが、内見時には一部の資料は仮のものであったりしたので、可能な限り追加で情報収集しました。

物件や周辺エリアの情報収集

  • 「"物件名"や"エリア名"+"住みやすさ"、"レビュー"」などで情報収集(主にネット検索)
    運よく実際に住まわれていた方や新築販売時の情報も見つけることができ、参考になりました。

  • マンション評価サイトの閲覧
    複数のサイトに会員登録して閲覧しましたが、私が特に参考にしたサイトはマンションレビューマンション管理適正評価というサイトです。
    物件価格や周辺情報について、第三者の目線で考えることができるので参考になりました(但し、別のサイトも覗いてみたところ同じ物件でも全然違う評価になっていたところもあったのであくまで参考程度に)。
    また、後者のサイトは登録数も少ないので、登録されていたらラッキーくらいで良いかと思います。

  • 不動産業界に勤める友人から情報収集
    幸いにも不動産業界に勤める友人がいましたので、色々とアドバイスをもらいました。

買付戦略の策定

資金計画の見直し

見積書、提携銀行の住宅ローンの仮審査結果が揃ったら、改めて資金計画を練り直しましょう。
内覧の事前準備で作成した資金計画よりも精度の高いものになるはずですので、こちらをベースに本当に当該物件を購入するのかを資金面から検討します。
また、当初の資金計画策定から、買付に至るまでに時間が空いている場合、当初と環境や今後の見通しが異なる可能性も高いので、一旦冷静になって考え直すことをお勧めします。
また、資金計画の内容次第では、条件付きで購入する、といった選択肢も考えられます(後述)。

相場の把握

当該物件の過去の成約事例や周辺の類似物件の売り出し価格から、購入しようとしている物件の価格妥当性を考えます。
中古マンションの価格なんてあってないようなものだと思っています。
決まった価格なんてありませんので、売主と買主の折り合いがついたところがその物件の価格です。
高値掴みをしないためにも、周辺相場はしっかり確認しておきましょう。
私の場合は、将来売却も視野に入れていたので、あまりにも相場より高い場合は、その物件がどんなに魅力的でも無理して購入しないと決めていました(買い替えを視野に入れない場合は、多少高くても真に住みたいと思える物件を購入した方がいいと思いますが・・・)。

物件購入の判断

ここまで調べた内容や内覧時のチェックポイントを踏まえ、どのように物件を購入するかを決めます。
基本的には以下の選択肢かと思います。
①満額で買付
②指値で買付
③購入を見送る

私の場合は、総合的に考えて②で進めることにしました。
指値をしたのは予算的な問題もありますが、それ以上に私調べでは、販売価格が相場より割高だと思うことや、生活が損なわれるほどではないが物件に不備がある(合理的な値下げ根拠がある)点があったことが主な理由です。

また、買付戦略としては指値通りとならなかった場合に条件をつけるのか購入を見送るのかも考えておいた方が良いと思います。

条件交渉

検討した結果、掲載価格よりも数百万円低い金額で指値で買付依頼書を提出しました。
売主からの回答は、掲載価格よりは値下げしてくれたものの、指値の通りとはいかなかったので、次のフェーズとして別の角度から条件交渉しました。

最終的に私が引き出した条件は以下の通りです。

  • 約400万円の値下げ
    買付依頼書で提出した指値額ほどではないが、この値下げにより許容範囲の予算に収まった。

  • TV及び壁掛けTV台を撤去せず引き渡し
    我が家にはTVがないため、1台くらいは買おうかと思っていたところだったので。

  • LDKのカーテンをクリーニングした上で撤去せずに引き渡し
    LDKの窓が大きく、カーテンも特注になるので注文すると数万円の費用がかかる。売主が使用していたカーテンが無難に使えそうだったので。

  • 冷暖房器具と照明を撤去せず引き渡し
    この条件はなくても良かったが、まだ耐用年数に達しておらず使えそうだたこと、交渉の流れで提案されたことからおまけで追加。

値下げはともかく、その他の条件は良し悪しありますが、私はこれらの条件を引き出せたことにより、初期費用を抑えること、そして入居直後の快適性を高めることに繋がりました。

交渉については特に他に購入希望者がいた場合には全く通らない、という可能性もありますが、買主の権利ですので主張すべきところはしっかりと主張した方が良いと思います。
前述の通り、私の場合は他にも購入希望者がいたので、今振り返ればやや強気の交渉だった気がしないでもありませんが、私なりに合理的な理由を積み上げ、丁寧に交渉したので、概ね希望通りとなりました。

買付のフェーズまで来ると、気持ち的にも購入する気満々だと思いますが、ぐっと気持ちを抑えて冷静に交渉/判断できるかは結構重要なポイントだと思います。
私も物件には非常に魅力を感じていましたが、条件が折り合わなければ、買付をキャンセルすることも考えていました。

以上が買付までの流れです。
今振り返れば、このプロセスが一番神経を使いました・・・

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