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『勉強ができる』のこれからの意味

「あの子は勉強ができる」
こういうと、これまでは
「あの子は成績が良い」「あの子はいつもテストの点が良い」「あの子は良い(偏差値の高い)学校に通っている」
と想像したことでしょう。

学校や塾での学習、家でこなす宿題。
これらの量に概ね成績は比例していると思われていました。

しかし、最近の学生たちを見ていると、どうも勉強量と成績が比例しなくなっていると感じています。
もちろん以前から、運動と同じように勉強の得手・不得手はあり、同じ学習をしたところでの効果の個人差があることは重々承知の上、現在はその効果の差がより一層大きくなっていると思っています。

大学受験最高峰の医学部入試

ここ数年の私はというと、医学部進学を志望する高校生や浪人生に対しての個別指導(数学)をメインに行っています。
昨今、医学部不正入試の話題が世間を賑わしましたが、それでもその人気に陰りはなく、今や国公立大医学部は言うまでもなく、私立大医学部*でも倍率が10倍以上。合格目安偏差値が65*以上と非常に狭き門になっています。

* 私立大医学部の学費は6年間で最も安くて1850万円。
 最も高くて約4700万円で、入試偏差値に反比例します。
* 偏差値65・・・受験生の上位約7%という割合

医師になるためには、まずこの医学部入試をクリアすることが必須のため、高い志を持った受験生たちはまさに今、入試の真っ只中で戦っています。

そんな医学部を目指す受験生。
勉強ができる子たちが頑張ってるのね!」
と思われるかもしれませんが、一概にそうは言えません。

医学部受験生の親御さんの多くが医師であることがその要因の一つで、一般的に思われがちな「東大目指しているの?賢いのね!」というような偏差値に応じた大学を志望する構図が、医学部受験においては成り立たないことが多いのです。

医学部受験生の学習状況

入試最高峰レベルへ挑む医学部受験生。
その勉強量はやはり凄まじいもので、医学部受験専門予備校*に通う浪人生だと、1日の半分以上の時間を予備校での勉強に充てています。

* 医学部受験専門の予備校は年々増加傾向にあり、都市によっては一般的な大学受験予備校よりも数が多くなっているとのことです。
個別指導や少人数指導の予備校が多く、高額ながら私立大医学部志願者を多く集めています。

成果をあげ、見事志望校に進学するもの、目指していたところまでは届かないまでも、無事医学部の門を叩くことができるもの、と結果は様々ですが、先にも述べたように今の医学部はかなりの狭き門。倍率的にも努力が報われない受験生の方が多くなってしまいます。
1年で合格に届かない結果、2年目の浪人生活、はたまた3年目に突入という話を聞いても、もはやこの業界ではなんの驚きもありませんが、無視できないのは1年の浪人生活を送っても成績が全く伸びない生徒が一定数いることです。それもかなりの割合で。

なぜ成績が伸びない

成績が伸びない要因は様々です。大手集団予備校に通ったものの、授業についていけず結局1年間まともに勉強しなかった...なんて話はよく聞きますが、今回注目したいのは医学部受験専門予備校で1日の半分以上勉強しているのに成績が上がらない子についてです。
個別指導で自分のペースに合わせプロ講師に指導してもらい、1日みっちり勉強し、それをきっちり1年間続けたのに、ほんのわずかな成果しか得られていない医学部志望の受験生。

こんなに努力しているのに、なぜ成績が伸びないのか。

理由は1つで間違った学習方法で勉強しているからです。

『勉強ができる』と聞くと

大学入試において、センター試験を廃止し新たに共通テストを実施するニュースは入試に関係ない方の耳にも届いていると思います。
簡単にいうと、今のマーク式の問題じゃ思考力測れないよね!勘で正解しちゃうと不公平だよね!もっとしっかり能力測りたいよね!という大義名分での改革で、その改革自体はさておき(このことについては改めて触れる機会を設けようと思います)、結局問題視されているのは現在の学生の思考力の低下です。

パソコンやスマホの普及も一役買っていると思われますが、すぐに答えを求め、考える行程を踏まない。そのため論理的思考を持たない学生が続出しています。
そういった学生は決まって、正しい勉強ができていません。
そのため、その勉強法を変えない限り努力に見合った成果は得られず、先に書いたような結果に繋がってしまっています。
私たちの学生時代(いつの頃でしょう。笑)と違い、勉強している=成績が良い時代ではなくなってきています。

「あの子は勉強ができる」

このフレーズを聞くと、「正しい学習法で勉強ができてるんだ!」と私と同じように感じる方もこれから増えるのではないでしょうか。
学校や塾といった現場ではなく、日本の教育の大問題ですね!


最後までご覧いただきありがとうございます。
需要があれば今後、正しい勉強法なども掲載したいと思います。

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