【第2話】デザイナー前田、水野学氏に会う。
旧ブログ「まえだたかしのノート」からの転載記事です。
2016年5月13日に書板記事。
【第1話】デザイナー前田、30歳を目前に焦る。の続きです。
クリエイティブディレクターの水野学さんが率いるgood design companyという会社へ面接に行くことになりました。(10年前のお話ですよ。念のため)
面接の日が近づいた、とある夜。
妻が、神妙な顔で話し出しました。
実は東京に面接に行くということを、妻の母から猛反対されていました。3ヶ月の赤ちゃん。家も建てたばっかり。
そりゃそうですよね。当然、私の母も反対でした。
僕が責められたのではなく、矛先はぜんぶ妻に集中してしまいました。
辛い思いをさせてしまった・・・。
やっぱり、転職なんてやめて欲しいよね。
でも、やっぱり面接だけはとりあえず行きたい。
ほんまにゴメン!
って頭を下げようとしたら・・・
想像もしてなかったお願いに軽返事したものの「クリスピークリームドーナツ」は今でこそ人気が落ち着いていますが、当時は新宿に初めて日本進出をしたところで大人気でした。行列に1時間は並ばないと買えないということは後でわかりました。
だから妻は神妙な面持ちだったみたいです・・・。
いざ、東京へ
家ではクリスマスパーティの準備を進める中、私はひとり東京へ。
新幹線での時間つぶしのために、新大阪である書籍を買いました。
小山薫堂、面白い人やなぁと思って読んでいると、なんと「水野学」の名前が!!
「面接で話のネタになる!」とちょっとラッキー。
2人の付き合いはこの時からだったんですね「くまもん」が生まれたのは、小山薫堂さんとのプロジェクトで水野さんが提案したものです。
余談ですが、本文中にこんなことが書かれてありました。小山さんの会社のロゴデザインを水野さんに依頼したら思っていたデザイン料の「ケタがひとつ違った」と。
「さ、3桁・・・?」
最低でも100万円以上です。
衝撃的だったのを覚えています。
東京に到着
まずは、新宿の「クリスピークリームドーナツへ」。予想どおり、大行列です。
12月の真冬。ここで1時間か・・・。
嫁の顔を思い出しながら耐えました。1時間以上、並びました。
2ケースを買いました。(クリスマスパーティで友達が集まるので多めです。)
3ケースを買って、ひとつを水野さんへ手土産にしようとも思いましたが、媚びを売ってると思われたくないのでやめておきました。^ ^ 気持ち的には心から買って行きたかったです。「頑張って1時間並んだんだ」っていうのを誰でもいいからわかって欲しかった。(笑)けど、やめておきました。
恵比寿へ
good design companyのある恵比寿へ移動。駅でコインロッカーにドーナツ入れ、代官山駅の方に歩きました。オシャレなところすぎて自分には場違いすぎ!
玄関でピンポンを鳴らして、中に入れてもらいました。あったかい〜。中には同じように面接にきている人が、5人くらいいました。やっぱり人気ある会社なんですね。
待合室にいる時、スタッフの女の子が緊張をほぐしてくれようと話しかけてくれるんですよ。「いい子だなぁ。」会社の雰囲気も良さそうという印象をうけました。
みんな、「しーん」ですけどね。
関西人丸出しで行けばよかったかな。絶対受かりたいわけじゃないので緊張もしてなかったし。私はちょっと話したけど、羞恥心が発動してしまいました。
しばらくして、私の番に。部屋を移動します。
水野学氏、登場。
初対面の印象は・・・
「うわ〜、ダルそ〜(笑)」
いや、失礼。若干お疲れのご様子でした。
私も面接官10年くらいやってたので、まぁ、採用面接って本当にしんどいんですよ。普段の仕事も忙しいでしょうし・・・。
挨拶、志望動機、定型のやりとりです。「東京でデザインを学びたい」みたいなことを言いました。
一通り話し終えると、ついに水野氏が口を開く。
その一言に、ものすごく救われました。
面接に来て本当によかった。
第一線でやられている方に評価してもらい、自分がやってきたことは間違ってなかったんだと心から感激しました。だれかに認められたら満足なだけだったのかもしれません。
その後の面接は、すべて正直に話しました。
受かりたい人の発言じゃないです(笑)
家族に反対されている。
転職を迷っている。
すると
good design companyの会社案内のパンフレットを手渡してくれました。
その時のパンフレットがこれです。
次回「デザイナー前田、面接の結果、ある答えにたどり着く。」に続きます。
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