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NoGoodなビジネス思考

仕事をしているとたまに思うことがある。考え方が表面的で、行動に一貫性がないということに。「とりあえず」とか「なんとなく」とか「たぶん」とか「頑張る」とか「大丈夫」とか、そのような発言をすることに。

曖昧な思考を持ったまま仕事をしていると、今、自分はどこにいるのかを見失うことがある。まるで山頂がどこにあるのか、山頂までのルートを把握せずに山に入り、案の定遭難をした感覚。

自分は、仕事はすべて「言葉」からはじまるものだと思う。言葉からはじまらないことは仕事と一切思えない。言葉があっての仕事であり、行動である。だから、言葉を大事にしない人とは一緒に仕事しないと決めている。

言葉を大事にしない人というのはビジネス思考がない人である。最近感じた、NoGoodなビジネス思考について整理してみる。その前に、誤解がないように、自身がどういう人間かを申し上げておく。

変わった人とよく言われるのだが、自分は「好奇心」「新しいこと」などポジティブな要因より、「反面教師」「ストレス」などネガティブな要因から自分をモチベートして行動を促すタイプの人間である。

また、自分を完璧な人間だとは一切思っていない。むしろ、集団や組織という和に馴染めない、馴染もうとしない天邪鬼な人間である。行動という部分においては欠陥だらけのNoGoodなビジネスパーソンである。

基本的に合理的に物事を判断する。余計な感情は一切排除。やるかやらないか。やると決めたらやるし、やらないと決めたらやらない。「とはいえ」とか「建前」が大嫌い。そんなのただの言い訳だと本気で思っている。

言い訳の言葉はいらない。言い訳というのは表面的でどうでもいいこと。本質的な部分にしか興味はない。言い訳をつくる時間があるなら、ネガティブでもいいから本質、本音、本当、3つの「本」を言葉にしようって思う。

人の内にある「情」(思い)を「理」(言葉)に変換して、「理」に基づいて「情」で行動するタイプ。そのような人間が感じる、NoGoodなビジネス思考ということが前提にあることに、ご理解を。


10のNoGoodなビジネス思考とは?

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①ビジョンなきビジネス

自分はビジョン=あるべき姿、目指す方向を大事にする。ビジョンがない仕事にお金は生めても、価値はつくれない。価値とは顧客や関わる人たちの笑顔や共感や満足。それらをつくるためにビジョンは必要不可欠なエンジン。

②目的の定義なき手段の設計

何のために自分たちは存在しているのか。何のために自分たちは行動するのか。どこに向かうのか。目的を定義せずに、何をやるかを考えることは頂上をみずに登山をする愚か者。何においても「WHY」からはじめること。

③顧客のゴールの設定なき施策の実行

自分たちの目的や行動によって、顧客がどのような状態になるか、を想像できないと施策の実行はただの消費で終わる。お客様の笑顔や満足をつくるために、お金や時間を投資しているという感覚がなければビジネスではない。

④理解なき合意

仕事は一人ではできない。常に仲間が必要。その時に仲間の言葉をきちんと理解すること、仲間に理解してもらうことがコミュニケーションのはじまりである。いきなり合意せよと求める仕事では仲間と価値はつくれない。

⑤ファクトなきオピニオン

相手を理解する。相手に理解をしてもらう。それを大事にしている人は事実から理解を図ることが自然とできる。しかし、事実を無視して自分勝手な意見は相手のことを無視した発言になる。意見は信頼と事実があって通じる。

⑥プロセスなき結果

結果がよければ全て良し。本当にそうだろうか。自分は違うと思う。良い結果には良いプロセスがある。結果は自分たちではコントロールできない。でもプロセスは自分たちでコントロールできる。どっちが重要か一目瞭然。

⑦自らが体現することなき相手への価値提供

相手に笑顔を提供したいなら、まず自分たちが笑顔でなければならない。相手の人生をより豊かにしたいなら、まず自分たちがより豊かにならなければならない。自らがまず体現する先に、相手に価値を提供する資格がある。

⑧ボトルネックなき問題提起

今、向き合っている問題は何か。それを解決すれば自分たち、そして相手は満足できるだろうか。目にみえている問題ばかりに目を向けるのではなく、本質に向き合って、目にみえない問題をみつけることが問題解決の第一歩。

⑨相手への尊重なき関係構築

お客様や関わる人をどうみているか。相手への理解や尊重があれば、良い信頼関係は築ける。しかし、相手を上下や手足のようにみていると、自身の土俵や視野でしかビジネスができない。富は築けても信頼関係は築けない。

⑩信頼関係なき価値観への踏み込み

信頼関係があると相手の価値観を常に尊重し、お互いの価値観を共有することができる。しかし、信頼関係がない状態で相手の価値観に触れることは家に土足で踏み込むのと一緒の行為である。価値観の扱いは丁寧に、慎重に。

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良いビジネス思考とは、ビジョン、目的、顧客の笑顔、理解、ファクト、プロセス、自らが価値を体現すること、問題のボトルネックを見つけること、相手への尊重、信頼関係、を大事にしている思考である。

そして、それらはすべて「言葉」でつくれる。「言葉」からつくるものである。それも曖昧な言葉ではなく、本質的な言葉である。本質的な言葉とは、みえないものをみえるようにしていくことである。

言葉をもっと大事にしよう。言葉からビジネス、コミュニケーション、行動をしよう。表面的な言葉は一切無視しよう。本質的な言葉を大事にしよう。その言葉を持って相手と話そう。相互に理解できる人であろう。

行動をいくら見直しても、思考や姿勢が変わらなければ、自分の表面的な部分をコーティングしただけにすぎない。それではすぐに剥がれてしまう。人の根幹にある思考にちょっとした意識と変化があれば、行動は変わる。

自分への戒めとして。10のNoGoodなビジネス思考。