生産性を5%上げる機材投資の勧め

会社の売上拡大を目指す際にできることは多々あります。弊社で最近行っていることは、生産性を上げるための機材投資です。

私は2015年に株式会社イメジンを創立からつい最近まで、経営者たるもの、いかに売上を伸ばし会社を発展させるかが重要で、自分自身のオフィス機材に投資することは頭の隅にもありませんでした。
もちろんこれまでも、便利なオフィス機材があることを知る機会はありましたが、会社の費用を使って、ましてや自分のために高性能高額のオフィス機材を揃える必要性はまったく感じていませんでした。

それがどうして今回踏み出せたのか、そして機材投資によるどんな変化が起こりつつあるのかを投資すべき機材とともにお伝えします。
 


機材投資が売上に関係する理由

 生産性を考えた時に、まずフォーカスしたのは、仕事量が多く拘束時間も長いCEOである私自身と役員たちの職場の環境を整えることです。
 
弊社では私が商談の約8割を担い、月1000~1500万円の売上を立てているのですが、商談は時間がかかり体力も消耗します。もし仕事の環境を少しでも改善することができれば、1日4商談しているところが5商談できるようになるでしょう。月間、年間で考えると月4商談、年間48商談多くできることになり、売上に大きく影響します。

 そこで、私自身の健康状態を最善に保ち、より生産性を上げるためにどうすればいいか。という話になり、今回ご紹介する機材投資に踏み切ることになりました。
見出しで述べたとおり、これまで高性能で高額なオフィス機材に関心がなく、また、会社の費用で自分自身に投資することに抵抗がありました。

しかしながら、こうして具体的に私が生み出している数値と機材投資によりさらに増やせる数値を見ると、やってみる価値はあるのではないかと思い、 経営会議を経て実行しました。

弊社では、まずは私同様に業務時間の長い役員から機材投資を進めています。今はマネージャークラスにも徐々に配備を進めています。いずれは従業員全体に広げていきたいと思っています。

もちろん同時に社内全体の生産性改善に向けても動いています。たとえば毎週行う社内定例会議やMTGの時間をこれまでより15分短く設定するなどです。しかし、相手があることは、機材投資と比較すると難しく、実際に生産性が上がるまでの準備期間に労力と時間を要します。
 
実際に社内MTGの時間を現在より短縮しようとすると、事前にアジェンダを作成し各自がその日の議題に目を通し、伝えたいことをまとめておく必要があります。さらに効率よく行うためには、議題を持つ人がアジェンダを整え、会議を行うとスムーズです。ところがこれを社員全員に徹底させようとすると、まず社員にその必要性を理解してもらい、やり方を教育しなければなりません。それだけで3ヵ月くらいかかるかもしれませんし、エネルギーもかけなければなりません。
 
また、社外のMTGや商談においては、お客様を差し置いてこちらの都合で時間を短縮することは不可能です。まず、そこをどうやって納得していただくか考えることから始めなければなりません。
 
このような時間と労力を考えると、適切な機材を探し購入することは、最も効率のいい生産性を上げる方法だと言えます。

機材投資を阻む2つのマインドブロック

機材投資が生産性アップ、すなわち売上に関わる要素のひとつ。さらに相手がいないことなので簡単に行える。という機材投資をお勧めする理由をご理解いただけたと思います。

とはいえ、簡単に踏み出せない、経営者が陥りやすい”マインドブロック”があるのも分かります。
主に2つのマインドブロックがあるのではないでしょうか。

1つは、経営者である自分自身と役員に投資すること。
もう1つは従業員への投資。

自分自身と役員に投資することへのマインドブロックとマインドセットの考え方は、上の項で述べた通りです。投資によって生産性が5%上がれば、売上にどれくらい影響するかシミュレーションで計算してみることをおすすめします。

従業員への投資は難しい部分があると感じています。弊社はマネージャークラスから徐々に従業員全体の機材投資を行う予定ですが、職務によって投資する価値の低い機材もあれば、重視しなければならない機材もあります。
そのあたりを柔軟に行い、マウスやキーボードなど高額でないものは、職種や立場に関わらず、できるだけ早く必要な人へ配布しています。

すぐに必要ではなく、金額の高いものは、従業員の中でもコストの高いマネージャークラスから投資することにしています。理由は、コストが高い人というのは、その分お客様や会社への貢献度が高い人だからです。

たとえば月収が50万円、150万円の粗利で会社に貢献している人がいるとします。機材投資で5%生産性が上がれば、月7.5万円のプラスです。それならば、5、60万円を新しい機材にかけても損はしないでしょう。

さらに、離職率が下がり、採用にもプラスになるメリットがあります。
話が若干それますが、弊社が一人一人に柔軟な機材投資ができるのは、全員がフルリモートだからということはあるでしょう。オフィスの家賃にかかる費用がない分、機材投資の資金が確保できます。フルリモートについてはまた別記事でお伝えしようと思っています。

以上、私自身がそうであったように、経営者が持っているであろうマインドブロックをまとめました。少しでも生産性を上げ、売上アップをはかりたい経営者の方々は、マインドセットをして、次の3点の機材投資から始めてはいかがでしょうか。
 

最初に投資すべき機材3点

機材投資をするにあたり、まず初めに取り掛かった機材は以下の3点です。
 
・ディスプレイ
・オフィスチェア
・パソコン
 
なぜこの3点からかと言うと、その他の機材と比較すると投資額が高額だからです。高額なものほど生産性へのインパクトが大きく、結果が早く表れるのです。
 
たとえば古いパソコンを使っているとします。電源を入れて立ち上げに時間がかかり、新しいページを開くたびに待ち時間があると、1日数分でも1週間、月、年単位で計算するとどうでしょうか。たとえ1日1度5分のパソコン待ちのロスタイムがあるとしても計算すると、月20日間の営業日で月間100分ものロスタイムになります。
 

作業効率を圧倒的に高めるディスプレイ

ディスプレイも同様です。一般的には、ディスプレイが1枚の場合と2枚以上の場合で生産性は約30%異なると言われています。30%とまで言わず、たとえ5%の変化だとしてもその違いは顕著です。
 
実際に数字に落とし込んでみましょう。月収が50万円の社員がいるとします。その5%は2万5千円です。5万円ほどのディスプレイなら2カ月で回収できるため、投資リスクは極めて少ないです。
 
月間1000万円の売上を立てる役員の生産性が5%上がるとなると、単純化した計算で言えば会社にとって50万円もの利益を生み出すということです。わずか5万円の投資で月間50万円を生み出せるなら、かなりお得な投資と考えられるのではないでしょうか。
 
私も最近までMacBook Proのディスプレイ1枚で仕事をしていたのですが、現在ウルトラワイドモニターという約40インチ(約1m)の幅のディスプレイを使用しています。その結果、かなり生産性が上がっていると実感しています。
 
とはいえ、私もつい最近までディスプレイが2枚以上必要な理由が分かっていませんでした。必要性を感じていなかったのです。
 
実際に使ってみて生産性に直結していると感じるのは、3、4個の画面を同時に開ける点です。ディスプレイ1枚の場合だと、いくつかの書類などをパソコン上で見ながら作業をする際に、前面に表示されている画面を切り替えなければなりません。ところがウルトラワイドモニターの場合、2枚と言わず数枚開いたまま同時に見られるので、作業がより効率よく進められるようになりました。
 
1枚のディスプレイで仕事をしていた時には気づきませんでしたが、今となれば切り替える分時間のロスがあったと感じます。
 
しかしながらディスプレイは多ければいい、大きければいいという訳ではありません。解像度dpi(ドット・パー・インチ)、リフレッシュレート、画面の大きさの3点がディスプレイを定義する要素です。これに画面の明るさに関わる有機ELか液晶かなど、それぞれの組み合わせで選びます。
 
簡単に説明すると、解像度はdpi(ドット・パー・インチ)というディスプレイのピクセル数の測定値で表され、画像のきめ細かさを指します。リフレッシュレートは、画面に映し出される映像の滑らかさを示す指標です。
 
解像度が高く、ピクセル数が多いディスプレイは、眼精の疲労を軽減すると言われて(Jie et al.,2021:別論あり)おり、健康面でのメリットもあります。

LG 39.7インチ 5K2K Nano IPS 曲面型ウルトラワイドモニター


身体と精神に有効なオフィスチェアと選び方

オフィスチェアは、作業効率と健康の両方を向上させる重要な手段と考え投資することにしました。デスクワークが多い場合、いいオフィスチェアは身体の負担を軽減し、長時間の作業を支えてくれます。
 
ただ、高品質な商品はその分高額で、20万円以上するものが大半です。また、パソコンのように目に見えて生産性に直結するものではないので、投資の時期の見極めは大切です。
 
弊社の場合売上が伸びていることもあり今が投資の時期と捉え、まずは役員から、オフィスチェアの投資を行いました。
 
今回は、WORKAHOLICというオフィスチェアのフィッティングサービスを利用しました。コンシェルジュのアドバイスに従って国内15、海外60脚の椅子に実際に座り、自分に合うオフィスチェアを選べるサービスです。
 
このサービスを利用した理由は、以前オフィスチェア選びに失敗した経験があるからです。中価格帯で評判を調べて定評のある商品を購入したのですが、私の身体には合わず使えませんでした。高額な椅子ならどれでもいいというわけでもないのです。座り心地の好みだけではなく、姿勢や体形などにより、身体に合う椅子は変わってきます。以前、評判を聞いただけで購入しうまくいかなかった経験を踏まえ、このサービスを利用することにしました。
 
椅子と健康の関係性についての専門家の見解は次のようなものです。合わない椅子で長時間仕事をしていると、前傾姿勢になり、腰に負担がかかります。そのため腰の負担を減らすために肘をつくと、今度は首にも負担がかかります。
 
1時間仕事をして腰や首が痛くなり、席を外して少し休まなければならない状態だと、ロスタイムが生まれる上に長期的にみると健康も蝕まれることになります。
 
このようなリスクを考えると、たとえスチールケースのジェスチャーという26万円するオフィスチェアでも投資する価値はあると考えました。
 
使用してみて座り心地は、以前使用していたものとは比べ物にならないくらい異なります。健康上の改善はまだ分かりませんが、長期的にみると必ず違いは出てくると体感しています。
 
また、健康上のリスク回避以上に、使い始めてすぐに表れた利点としては、座りたくなるほど座り心地のいい椅子であるという点です。座りたくなる=仕事をしたくなる。このように考えると、高額であっても生産性に影響する投資する価値が十分ある機材ではないでしょうか。

WORKAHOLIC
https://www.iamworkaholic.jp/

スチールケース(Gesture)

WindowsかMacか。パソコン本体

あなたはWindowsとMacどちら派でしょうか。私はMacですが、理由はMacを使用するほうが効率がいいからです。
 
MacはiPhone同様に細かい調整はできませんが、本体を購入するだけですぐに使える仕様になっています。
 
一方Windowsは、機材として自分でパーツを組み合わせなければならず、細かい調整を自分でする必要があります。だとwindowsの方が、機材として自分で組み合わせなければならず細かい調整を自分でする必要があります。そのため、パソコンが苦手で情報に疎い人ほど、Macにしたほうが賢明です。価格は高いですが、時間の節約になります。
 
また、ディスプレイなカメラ、音、スピーカーもかなりの高品質なので、外付けのものを購入する必要がありません。外部機材にもこだわり自分仕様にするのが好きな方にはWindowsでいいですが、不要もしくは苦手な方は、Macにすればその手間が省けます。もちろんMac使用者でもさらに高品質な環境を整えたければ外部機材を追加すればいいだけです。
 
ただMac購入の際に気を付けたいのは、モデルによってディスプレイの出力台数が限られている点です。せっかく購入したのに接続したい外部ディスプレイが接続できないということがないように、事前によくスペックを確認しておきましょう。
 
モデルチェンジのタイミングも重要です。型落ちのものを安く買いたいというのでなければ、最新のシステムが投入されたものを購入したほうがいいでしょう。
 

購入すべき商品の探し方

投資する機材を決めたら、銘柄を選択しなければなりません。私は、具体的な銘柄の選択はYoutubeの情報を参考にしています。Google検索では広告やSEOを狙ったノイズに近い記事が多く、正しい情報が得られないと感じているからです。一方ガジェット系のYoutuberや椅子、オフィスチェア専門のYoutuberなど、それぞれの専門Youtuberの情報を収集します。
 
具体的な手順は、Youtubeの検索窓にオフィスチェアなどキーワードを入れ、検索をかけ、表示される動画を見ていきます。ただ、情報を鵜吞みにすると私の前回の椅子のように失敗することもあるので、情報は十分吟味することをおすすめします。
 

生産性は一時落ちるもの

新しい機材を揃えると、どうしても最初は一時的に生産性が下がります。私もディスプレイの配置の仕方がフィットするところがなかなか見つからず、機能もまだ十分に使いこなせていない部分があります。でも新しい物を使い始める時には当然起きることですし、慣れれば、一時落ちた生産性はすぐに巻き返せます。
 
商品を選択する際に、情報収集に時間がかかるのもまた然りですが、特に高額商品の場合、専門家や店員に頼るのではなく、購入前に事前知識を持っておいたほうが失敗が少なくすみます。オフィスチェアフィッティングのWORKAHOLICを利用した際も、自分の姿勢の癖や机との相性も知っておけば、自分にフィットするものを見つけやすかったのではと思います。
 
 

健康を重視するなら欠かせない電動昇降デスク

ディスプレイ、オフィスチェア、パソコンの主要3点を投資した後は、さらにその周辺の機材の投資を行います。
 
次にお勧めする機材は、電動昇降デスクです。
 
正しい座り方は、足の裏が床に付き、膝が90度。そして机に置いた肘が90度に曲がるデスクの高さが適切と言われています。
 
正しい座り方で座り、正しい角度で両手を使えるデスクの高さは人それぞれ異なるため、自分にぴったりな高さのデスクに出会うことは難しいでしょう。
 
そこで、ボタンひとつでどんな人にも合う高さに調節できる電動昇降デスクは重宝します。
 
また、健康のためにスタンディングデスクにできるのも大きな利点です。
 
1日8時間以上座っている人は3時間未満の人に比べ、死亡リスクが1.2倍。がんや脳血管疾患などにかかりやすいという研究結果をご存知でしょうか。
 
長時間の座り姿勢による肩や腰、首の痛みを減らし、生産性が上がるだけではなく、長期的に見た健康問題にも大きな利点があります。
 
約7万円と他の機材と比べて高額ではなく、重要な利点のある商品ですが、デスクを置く場所がないという場合もあり簡単に購入できないので、最重視する機材にはしていません。

電動昇降デスク
COFO Desk Premium – COFO(コフォ)
 

集中力を欠く眼精疲労予防に必要なライト

眼精疲労もまた、ビジネスパーソンによくある健康上の悩みでしょう。目が疲れていてはデスクワークが思うようにはかどりません。眼精疲労の緩和には、画面の明るさと周囲の明るさを合わせることが推奨されています。私はPhilips Hueの間接照明を選びました。
 
そのためには、蛍光灯ではなく間接照明がいいそうです。そして、手元の明るさと画面の明るさを揃えるため、デスクライトも使用することをお勧めします。私はモニターの上に置け、場所をとらず邪魔にならないBenQのライトを使用しています。

デスクライト
BenQ ScreenBar(無印)
Philips Hue

 

作業効率を上げる身近な小物マウス/キーボード

マウスは安い機材のため投資しやすいのではないでしょうか。私は1番高額で評価の高いロジクールのマウスを使用しています。手で覆ったときに自然に持てるフィット感のいいのが特徴です。少し重いので慣れるまでにコツが必要ですが、クリックでショートカットができる機能もあり、パソコン操作が格段に早くなります。
 
キーボードはHHKB(無接点静電容量方式)のものを使用していますが、打ち心地には好みがあり、一概にこれがいいとは言い難いです。コンビニ「セブンイレブン」のATMのキーボードと感触が似ているので、気になる方はお試しください。
 
2万円以下の高額ではないものは、どれがいいか調べる時間を削減するためにも、最も高いものを購入しておけば、すぐに壊れたり、不具合があったりする確立が減るはずです。
 
私は左手で指で操作するMacのマジックトラックパッド、右手にロジクールマウス、真ん中にキーボードを置いてワイド画面のものを含む2枚のディスプレイを操作しています。

 マウス「ロジクール】

以上機材投資の必要性と、どの機材から投資すべきかお勧めの方法をご紹介しました。高額の機材もご紹介しましたが、年商5千万円以上の売上があるや経営者や企業は、こういった部分に投資して生産性を上げることも、やってみる価値のある施策です。マインドブロックを外してぜひお試しください。


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