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インプットの質の高め方はエスキモーから学んだ

語彙を増やせば、アウトプットの表現力が豊かになるのは言うまでないが、実はインプットの質も高めることにも繋がる。

なぜならば、語彙を増やすことでインプットする際の知覚センサーがより敏感になるから。その根拠をエスキモーの「雪」に対する感覚を知ることを例に挙げて説明する。

エスキモーの「雪」に対する感覚

カナダ北部などの氷雪地帯に居住するエスキモーは「雪」を表現する言葉を53個持っていると言われている。

「さらさらした雪」や「吹雪」などの表現はもちろんあるし、「ソリをするのに適した湿った雪」といった微細な性質の違いを表した言葉もある。

雪の性質の違いに対して、別々の言葉を当てはめることで、エスキモーは「湿ったジトジトした雪」と「ソリに適した湿った雪」の差を明確に分けて認識することができるのである。

There really are 50 Eskimo words for ‘snow’
https://www.washingtonpost.com/national/health-science/there-really-are-50-eskimo-words-for-snow/2013/01/14/e0e3f4e0-59a0-11e2-beee-6e38f5215402_story.html

「晴れ」の感覚を研ぎ澄ませるには

逆に言うと、エスキモーの言語に微妙なニュアンスの違いを表す言葉が存在することで、雪に対する感覚が研ぎ澄まされているのだ。

これはぼくらの生活にも活用できるのではないだろうか。

たとえば、「晴れ」を表現するワードを考えてみる。正直なところ、ぼくは「晴れ」「快晴」くらいしか知らなかった。ネットでググってみると、

「五月晴れ」「日本晴れ」「清和」「炎天」「晴天」

など、簡単に調べてみただけでも、5つは見つけることはできた。これらの言葉ひとつ一つに微細な意味の違いがあるようだが、今回はこれらの細かい違いには触れない。ここで伝えたいことは以下である。

晴れに対する語彙を増やす → それぞれの言葉のニュアンスの違いを知る
→ 晴れに対する知覚センサーの質が向上する。

これがインプットの質が上がるロジック。すると今まで日常で見ていたモノや感じていたモノの、ささやかな違いに気づけるようになる。見ていた景色や、食べていたもにも新しい発見が生まれる。

海外で生き抜く術

雪の表現力にかけてはスカンジナビア半島北部とロシア北部コラ島に居住する「サーミ」と呼ばれる先住民族も負けておらず、彼らは少なくとも180以上の「雪」を表現する言葉で相手とコミュニケートするそうだ。ちなみに、トナカイを描写するワードは1,800語にも及ぶという。

どうやら極寒の地の人々はどの民族も「雪」や「雪にまつわるもの」に対するワードが驚くほど多い。

どうして彼らの言語に「雪」や「トナカイ」に対する数多のワードが存在するのか。それは、これらの違いを細分化することが、彼らが生き抜く上で必要だったからだ。

となると、ぼくはビールの味の違いを区別するワードを、少なくとも50語くらいは知っておかなければならない。なぜなら、ビールの味を楽しめることが海外で生き抜くために必要だからだ。

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