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世の中には「なぜだか、やたらと高価格なサプリメント」が存在します

一昨日の記事では、私なりに厳選した【予算7千円でコーディネートするサプリメント】を紹介しました。
できる限り含有量など内容もよく品質も高い商品、そして価格もリーズナブルなコスパに優れた商品を選んでみました。

しかし、世の中にはその真逆と言っていいくらい、やたらと高価格で、その割には内容に特筆するべきものが少ない、というサプリメントも数多くあります。

もしかすると、皆さんの中にも知らず知らずのうちに購入しているケースがあるかもしれません。

そこで今回は、内容の割には価格が高すぎる、と私が感じている3つのタイプのサプリメントについて、高価格になる理由も含めて解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

オリジナルサプリメント

1つ目は、栄養療法を実践するクリニック(一部の民間療法機関)オリジナルサプリメントです。
具体例を挙げると怒られそうだからやりませんけれど、とにかく高い!

私も、ある時期オリジナルサプリメントに関わっていたことがあるので、それを間近で見ていました。

「これを大手が作ったら、5分の1とか10分の1の価格で販売できるんなんだけどなあ」とか感じていました。
なかなか、お客様には薦められませんでした。

その理由はシンプル、ハッキリしています。
生産単位(ロット)が少ないこと、及び製造設備を持っていないことが理由です。

サプリメントを工場で製造する場合、中堅メーカーでも数千単位、大手の場合は数万単位であることが多いと聞きます。
ところがクリニックオリジナルの場合、ほとんどが数百です。
私が以前に関わった所も、二百数十とか三百数十とか小さな単位でした。

販売力に対して生産単位だけ上げてしまうと、賞味期限切れを起こしてしまうので出来ないのです。
生産単位が少ないと、原料の仕入も安くできません(交渉力が弱い)し、製造効率も悪くなります。

機械のセットアップや終わったあとの洗浄殺菌など、10,000作るのも100作るのも工程には大きな違いはないからです。
そのため生産単位が少ないとどうしてもコストアップしてしまいます。

また、オリジナルサプリメントは、そういう商品を企画・製造するメーカーに委託して作ります。
当然、完成した商品にはメーカーの利益が含まれ、さらにクリニックの利益が上乗せされます。

なので、仕組み的に高くならざるを得ないのです。

ネットワークのサプリメント

内容の割には価格が高すぎる、と私が感じているサプリメント。
2つ目は、ネットワークビジネスの商品です。

ネットワークビジネスについては、私は関わったことはありません。
今後も関わるつもりはありません。

ですから、細かな事情や仕組みは分かりませんが、実際の商品を調べてみると、やはり高価格で内容は至って平凡です。

何で調べたかというと、そういう商品を扱う通販サイトです。
どうしてネットワークの商品が通販で売られているのかというと、たぶん会員が仕入れた商品を売り切ることができずに、一部が通販に流れてくるのだと思います。

ある通販サイトでは、ネットワーク最大手のアムウェイ、やはり大手のニュースキンやミキプルーンの商品が販売されています。

実際の価格と内容は?

では、アムウェイのマルチビタミンミネラルを見てみましょう。

上の商品がそれですが、このサイトの特徴として、目立つ所に賞味期限が表示されていることです。
おそらく会員の人が仕入れて一定期間が過ぎているので、あと賞味期限がどれだけ残っているのかが、大事なポイントになるのではないかと推測できます。

次に価格を見ていきます。
希望小売価格5,400円と表示されています。

多分これが会員の人が販売している価格だと思います。
それが一定の割合で値引きされていますが、賞味期限の短さ(鮮度の悪さ)とのトレードオフの関係のようです。

問題は次です。

内容量の所に20袋と書かれています。
その下、1日の目安摂取量を見ると1日2袋の表記です。

ということは、この商品はわずか10日分ということになります。
10日分で5,400円なので1か月分だと3倍の16,200円です。

この恐しく高額なサプリメント、栄養成分はどうかというと・・・

パッと見ても分かりにくいですが、私が「最低限の量しか入っていない」と考えている国内メーカーのマルチビタミンミネラルの含有量に準じています。

それが1か月分で16,200円ですから、驚きを通り越して◯◯◯です。

また、カルシウム600mgに対してマグネシウム100mgというバランスが悪すぎます。

カルシウムとマグネシウムのバランスは、一般的には[2:1]だと言われています。

私は[1:1]だと考えていますが、ここではそれは論じません。
いずれにしても6:1は論外、危険なバランスです。
                                
  ☆          ☆          ☆          ☆          ☆          ☆

もう一つ、ニュースキンのマルチビタミンミネラルも見ておきましょう。

【お一人様1か月に10点限り】と、何だかテレビ通販で聞き覚えのあるフレーズが強調されています。

価格を見ると7,212円ですが、この商品は15日分ですので、1か月分だと2倍の14,424円になります。

栄養成分を見てみると・・・

妙なことに、mgとμgの前に「,00」と表記されています。
が、この「,00」は意味がなく、必要ありません。

邪推かもしれませんが、とにかく数字を増やして多そうに見せたいのかな、と思えてしまいます。
だとすると、もうトリックの世界ですね。

こちらも1箇所突っ込むとすれば、ビタミンB群の中のビオチンが入っていません。ビタミンB群についてはこちらの動画で取り上げました。

ビタミンB群は8種類あって、8種類が協調してチームワークで働くので1種類でも抜けてはいけません。

設計が雑な商品という印象を持ちます。

ガンに効く(?)サプリメント

内容の割には価格が高すぎる、と私が感じているサプリメント。
3つ目は、ガン患者さんを対象にしていると推測できる高額なサプリメントです。

フコイダン、アガリクス、メシマコブ、霊芝、サメ軟骨、サメ脂質など、万単位の金額の商品が流通しています。

実際にこういった商品の原価がどれくらいなのか、私は知りません。
必ずしもボッタクリとは断言できません。

しかし、サプリメントはカップラーメンやチョコレートなどと同じく、法的には一般食品です。
薬品ではありません。効果効能は謳えません。

あたかもガンが消えるかのような宣伝も見かけますが、ガンが消えるというエビデンス(科学的根拠)のあるサプリメントというのは存在しません。

ガン患者さんが藁にもすがる気持ちになるのは痛いほど分かりますが、本当に何万円掛ける価値があるのか、慎重に判断していただきたいと願っています。

まとめ

内容の割には価格が高すぎる、と思われる3つのタイプのサプリメントについて解説しました。

1つ目は、栄養療法を実践するクリニック(一部民間療法機関)のオリジナルサプリメントです。
生産数(ロット)が少なすぎることが最大の理由だと考えられます。

2つ目は、ネットワークビジネスの商品です。
高額になる理由は分かりませんが、実例を挙げて説明させていただきました。

3つ目は、ガン患者さんを対象にしていると推測できるサプリメントです。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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