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「異論あり」だけど、ビタミンCはたっぷりたっぷり

ビタミンCはきわめて多くの仕事をするので、その分たっぷり大量に摂取することが大切です。

しかし、それに関しては「ビタミンCの大量摂取は◯◯◯◯のリスクがある」という異論があることも事実です。

今回は、その異論も踏まえて、それでもビタミンCを大量に摂る必要があることを解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

私のビタミンC推奨量

最初に、私が推奨する1日当りビタミンCの摂取量を示しておきます。

最低でも1000mg。
目標量は2000mg。

激しい運動をする、
ストレスを溜めている、
薬の服用が多い、
タバコを吸う、
などのケースでは、
3000mgを目標に摂取するのが望ましいと、私は考えます。

これには全て理由がありますので、後ほど記します。

ビタミンCの働き(復習)

簡単に復習ですが、ビタミンCのおもな働きを見るとこんな感じです。

ここにあるのは代表的なものです。
これを含めてビタミンCの仕事は、50以上とも100以上とも言われます。

今回の記事は、この一つ一つを説明するのが目的ではありませんので、それは省略します。

大量摂取が重要な理由

ビタミンCの大量摂取が必要な理由は、この50または100を超える仕事の多さです。
少量摂取では少量なりの少ない仕事しかしません。

厚生労働省が示す[日本人の食事摂取基準2020年版]。
その中にある推奨量では、1日100mg。

1日100mgであれば、下にある食品を意識して食べれば、難しいことではありません。

まずは食事から摂る、ということは絶対に外してはいけません。

しかし、実際には100mgでは全く不足しています。
では、厚生労働省が示す[日本人の食事摂取基準2020年版]にある推奨量100mgとは、いったい何を“推奨”する量なのでしょうか。

この100mgという量は「ビタミンCが不足、欠乏はしていない」という量に過ぎません。
100mgを大きく下回ると、ビタミンCの欠乏症である壊血病という病気(16〜17世紀の大航海時代に流行った、体のいたる所から出血する病気)を発症します。

その対策として、ビタミンCを100mg摂れば、壊血病は予防できるということです。
ビタミンC100mgで壊血病の予防はできますが、ビタミンCを100mg摂ってもガン予防はおろか、風邪予防一つできません。

そこで大量摂取ということで、冒頭に述べた
最低でも1000mg、
目標量は2000mg、
激しい運動、ストレス、薬が多い、喫煙などの場合は、
3000mg、を目標に摂取してほしいと、私は考えます。

大量摂取に対する異論

ところが、ビタミンCの大量摂取に対しては異なる見解もあります。
私がYouTubeで探しただけでも、『ビタミンC大量摂取のリスク』などの動画が3つ見つかりました。

しかも、すべて医師が解説する動画です。
お医者さんが言うのであれば「そうなんじゃない?」と信じたくもなります。

そのリスクとは何かというと尿管結石(腎臓結石)です。

体内でビタミンCが代謝される過程でシュウ酸という物質が作られます。
シュウ酸の濃度が高くなって、これがカルシウムと結合するとシュウ酸カルシウム結石ができる、ということです。

果たして、本当なのでしょうか。

細かく検証すると

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020版)」の引用です。
字が小さいですが、下の方のアンダーラインを見てください。

「健康な者がビタミンCを過剰に摂取しても消化管からの吸収率が低下し、尿中排泄量が増加することから、ビタミンCは広い摂取範囲で安全と考えられている」
と書かれています。

つまり「健康な人であれば、ビタミンCを大量に摂取しても、役に立つかどうかは分からないけど、安全だ」ということです。

ただし(その下)、
「腎機能障害を有する者が数gのビタミンCを摂取した条件では、腎シュウ酸結石のリスクが高まることが示されている」
とも書かれています。
したがって、腎機能障害がある人は慎重さを求められます。

先ほどのYouTubeで解説しているある医師は、「ビタミンCの大量摂取で尿管結石になるのは300人に一人」だと言っています。
その一人というのは、推測ですが、やはり腎臓に何か問題があったのではないかと思います。

また、ここで言う「大量」が指す摂取量は、複数のネット記事で見た所、1日10g(10000mg)のようです。
ですので、私が推奨する量(最大でも3000mg)を飲んでも問題が起こる可能性は、ほぼありません。

最低でも1000mgの根拠

ここで、私が推奨する、
最低でも1000mg、
目標量は2000mg、
いくつかの事例では
3000mgを目標とする。
この根拠を説明します。

最低でも1000mgというのは、国内サプリメント大手のFANCLやDHCなどのビタミンCサプリメントの1日当たり目安量が、1000mgだからです。

国内メーカー商品の目安量は、海外製品と比べて、かなり控えめに設定しています。
その国内メーカーが1000mgを薦めているのですから、最低でもこの量は摂る必要があると考えています。

目標量2000mgの根拠

次に、目標量が2000mgというのはこちら。


ビタミンCタケダとハイシー1000(いずれもアリナミン製薬)。
この2種類のサプリメントならぬ医薬品の成人最大服用量が、1日2000mgだからです。

医薬品は、安全性に関してきわめて高水準の研究検証を行なっています。
その上で2000mgを設定しています。

もっとも、この医薬品を2000mg飲んでも安全であるということです。
粗悪なサプリメントを含めて、他の商品を2000mg摂取しても安全だということを保証はしていません。

それでも、大手メーカーの品質管理、安全管理は、近年きわめて高いレベルではあります。
信頼性のあるメーカーのビタミンCを2000mg飲んでも、問題は起こらないだろうと考えられます。

最大でも3000mgの根拠

最後に、激しい運動、ストレス、薬が多い、喫煙などの場合は3000mg、の根拠です。

それらのケースでは体内でビタミンCが消耗して枯渇状態になっています。
だから単純に2000mgでは足りないだろう、というのが理由の一つです。

3000mgで区切った理由です。
もう一度、さっきの説明(一番下)を見て下さい。

「ビタミンCの過剰摂取による影響として最も一般的なものは、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響である。1日に3〜4gのアスコルビン酸を与えて下痢を認めた報告がある」と書かれています。
アスコルビン酸というのはビタミンCのことです。

このことから、念には念を入れて3000mgを上限にしています。

実際には、4000mgとか5000mg摂っても大丈夫だろうとは思いますし、そのくらい摂取している人も多くいます。
けれども、個人差もありますし、安全性を保証できるものではありません。4000mgとか5000mg摂る場合には、自己責任でお願いします。

ビタミンCのサプリメントに関しては、以前の記事をご覧になって下さい。

まとめ

ビタミンCの仕事は50以上とも100以上とも言われます。
その役割を十分に果たすには大量摂取が必要です。

ビタミンCの大量摂取に対しては、「尿管結石のリスクがある」という異論もあります。

しかし、腎機能障害もなく、1日10g(10000mg)レベルの摂取をしない限り、心配はありません。

私が推奨する、
最低でも1000mg、
目標量は2000mg、
激しい運動、ストレス、薬が多い、喫煙などの場合は
3000mg、の理由です。

国内メーカーのビタミンCサプリメントの目安量が1000mgであることから、1000mgは最低ラインであると考えます。

医薬品ビタミンCの成人の最大服用量が1日2000mgなので、安全性が高いサプリメントであれば、この量は安全性が高いと考えられます。

3g(3000mg)を超えない限りは、吐き気等の症状も考えにくいこと、などがその根拠です。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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