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ウイルスと対抗する栄養素。ビタミンD、マグネシウム、亜鉛の豆知識

一昨日の記事では、風邪(ウイルス)対策に重要な栄養素として、タンパク質、ビタミンC、ビタミンAを取り上げました。

今回は、ウイルスと対抗する、それ以外の3つの栄養素について解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

ビタミンD

 次にビタミンDです。ビタミンDに関しては、唯一、データが十分とは言えないものもありますが、いくつかの研究発表が報告されています。   

 一例だけ紹介すると、「ビタミンD血中濃度と新型◯◯◯ウイルス感染リスクとの関係」(米国シカゴ大学の研究)では、ビタミンDの血中濃度が低いほど感染者が多い、重症化率が高い、という結果が出ています。

一昨年の夏頃から、専門家の間では「ビタミンDが◯◯◯ウイルスに効果がある」というのは半ば常識でした。
日本でも、ネット等でその情報をいち早くキャッチした人が少なからずいて、ビタミンDのサプリメントが例年の数倍以上売れるという事態が起こりました。

もちろんサプリメントでも結構ですが、その前に食事からの摂取を意識してください。

ビタミンDは何と言っても魚介類に多く含まれます。
魚介類はタンパク質も豊富ですから、ぜひ食卓に魚介類を増やしてください。

ビタミンDは日光浴をすることで体で合成できます。タダです。
ただし、まだ3月です。日光浴によるビタミンDのゲットはあまり期待できませんので、やはりお魚をしっかり食べてください。

マグネシウム

マグネシウムは今のビタミンDを体内で活性化するのに必要です。
また、それとは関係なく、マグネシウムは600以上もの仕事をする最重要ミネラルですので、普段から十分に摂取する必要があります。

マグネシウムを含むおもな食材は、以下の通りです。

マグネシウムは、上記の食材以外にもニガリ、または濃縮マグネシウム、高濃度マグネシウムといった商品が市販されています。

さらに、マグネシウムは経皮吸収、つまり皮膚からも吸収が可能です。
この特性を利用したマグネシウム入浴剤(エプソムソルト)もあります。

亜鉛

亜鉛がウイルスに対抗する役割があることは知られています。
亜鉛は、インターフェロンというウイルスの増殖を食い止めるタンパク質を活性化するからです。

亜鉛に関しては、昨秋、興味深い研究報告がありました。
大阪医科薬科大学と堺化学工業株式会社との共同研究で、日付は2021年9月3日です。

酸化亜鉛(亜鉛の一種、塗料、化粧品、医薬品などに使用)が新型◯◯◯ウイルスの感染性を低下させることを確認というテーマです。

具体的には、ウイルス溶液に0.1gの酸化亜鉛(粒子径2μm)を添加します。
そして1時間後の感染性を調べた所、酸化亜鉛なしと比較して、新型◯◯◯ウイルスの感染性を99%以上減少することが確認されたという驚くべき結果です。

その結果が下のグラフです。

左側が粒子径2μmの酸化亜鉛添加、右側が酸化亜鉛なしです。
パッと見ると、半分にしか見えませんが、縦軸の目盛を見ると、千、万、十万ですので、概ね1:100の関係であることが分かります。

もっとも、酸化亜鉛は通常サプリメントでは使用しませんので、この研究結果のみで問題が一挙解決とはいきません。
それでも、やはり注目したくなる結果ではあります。

アメリカでは昨年、新型◯◯◯ウイルスが感染拡大した時に、ビタミンDとともに、亜鉛のサプリメントがあちこちで品切れになったという事態が発生しています。

アメリカは日本のように皆保険制度ではないために、病気をすると莫大な医療費が掛かることがあります。
そのため、アメリカ人は日本人よりも予防意識が高く、そのための勉強もしています。

その一環として、サプリメントの勉強もして、必要だと思われるサプリメントを日頃から飲んでいるのです。日本人も見習わないといけません。

「やって損はない」

最後に、ビタミンDと亜鉛に関するエピソードを一つ。

一昨年のこと、トランプ前大統領が大統領選挙終盤に新型◯◯◯に感染した時のことです。
当時74歳と高齢であったのにもかかわらず、わずか5日で退院したことに驚いた人は少なくなかったはずです。

どのような治療をしたのかというと、抗体カクテル療法に加えて、ビタミンDと亜鉛を服用したのです。
ビタミンDと亜鉛で免疫力を引き上げウイルスの増殖を阻止することを狙ったものと思われます。

ビタミンDと亜鉛の◯◯◯ウイルスに対するエビデンス(科学的根拠)は十分とは言えません。
が、ビタミンDも亜鉛も薬ではなく栄養素ですから、副作用はなくリスクは考えられません。

「やって損はない」ということです。
我が国でもそういう発想が広がってもよさそうですが、事なかれ主義が浸透している日本では難しいようです。

この記事内容については、動画もアップしています。合わせてご覧ください。

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