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[和食にも応用できる】地中海食に学ぶ健康長寿の食材12

世界でもっとも健康によいと言われている食事が、地中海食です。
地中海食は、さまざまな生活習慣病の予防にも働きます。

今回は、地中海食に多く使われる食材、逆にあまり使わない食材、地中海食が予防する病気を解説します。

そして、それを日本人の食事に応用するポイントをお伝えします。 
(記事の文末に動画を貼っています)

もっとも頻繁に使われる食材「7つ」

Wikipediaで【地中海食】を閲覧すると、
「地中海食とは、イタリア料理、スペイン料理、ギリシャ料理など、地中海沿岸諸国の食事や食習慣のことを指す」
と書かれています。

では、地中海食でもっとも頻繁に使われる食材「7つ」を先に紹介します。

果物
野菜
豆類
ナッツ類
精白されていない穀物
チーズ・ヨーグルト
オリーブオイル

果物、野菜、豆類、ナッツ、精白されていない穀物は、食物繊維が豊富です。

豆類、ナッツ、未精白の穀物には、マグネシウム、ビタミンEが多く含まれます。

果物、野菜、オリーブオイルには、ポリフェノール、カロテノイドなど、活性酸素を除去する抗酸化物質が含まれます。

オリーブオイルがポイント

オリーブオイルに多いオレイン酸は、
HDLコレステロールを減らさずに、LDLコレステロールのみを下げる効果があります。

オリーブオイルに関しては、2本の記事を公開しています。

チーズ・ヨーグルトには、私を含めて「?」がつく人もいると思います。

乳製品はプラス面とマイナス面が両方あり、非常に悩ましい食べ物です。
地中海食ではプラス面を重視しているようです。

それでも、牛乳は入っていないことから、やはり牛乳は避けるべき食品なのだと改めて理解できます。 

チーズには、ナチュラルチーズとプロセスチーズに分かれます。
スーパー等で多く出回っているプロセスチーズは、その製造過程で乳酸菌や酵素のほとんどが失われます。

地中海食のチーズは、もちろんナチュラルチーズです。

週に数回くらい食べている食材「5つ」

地中海食で、次に頻度が高い食材「5つ」です。

鶏肉
玉子
スイーツ(?)
ワイン
(お酒を飲みたい場合)

ワインは、ポリフェノールを含んでいるからでしょう。

[地中海食 スイーツ]で検索すると、
アーモンド、ピスタチオ、デーツ、果物を使ったケーキやマフィン
などが出てきます。
地中海食のスイーツは、砂糖たっぷりのお菓子ではないようです。 


ここまでをまとめた図をご覧ください。

下に行くほど頻度が高く、上に行くほど頻度が低いことを意味しています。 

肉より魚、牛豚より鶏

地中海食では、肉よりも魚を推奨しています。
これは、油の違いが理由だと考えられます。

肉類に多い油は、飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸は多く摂り過ぎると、LDLコレステロール値を上げて動脈硬化のリスクを高くします。

逆に、魚に多いEPA は、LDLコレステロール値を下げて、動脈硬化の予防に働きます。

鶏肉は「週に数回」ですが、牛肉と豚肉は「月に数回」です。

「牛肉豚肉よりも鶏肉」の理由は、飽和脂肪酸が“全体的に”少ないからです。
もちろん、部位にもよります。

チーズ、ヨーグルトは人それぞれで

再び、チーズ、ヨーグルトの話です。
「日本人は必ずしも食べる必要はない」と私は考えます。

和食には、次の食材があるからです。

味噌
醤油
漬物
納豆
海藻類

味噌、醤油、漬物には、乳酸菌が豊富です。
納豆の中の納豆菌も、腸内環境を整えます。
海藻類に含まれる水溶性食物繊維は、善玉菌のエサになります。

脳卒中、心筋梗塞のリスクを下げる

ここからは、地中海食に期待できる疾病予防効果です。

1957年から始まった国際共同研究において、ギリシャでは心臓病による死亡率が低いことが明らかになっています。

現在も、世界中の研究機関でその健康効果が検証されており、多くのエビデンス(科学的根拠)が存在します。

スペインで実施された研究報告によると、
「地中海食の栄養指導を受けたグループは、そうでないグループと比べて、脳卒中、心筋梗塞による死亡率が29%低かった」
という結果が出ています。

糖尿病、乳がん、大腸がんのリスクを下げる

同じく、
「乳がんに罹患する確率が57%低かった」
というデータもあります。    

また、イギリス人の女性を対象とした大腸がんに関する研究では、
「地中海食を実施グループは、そうでないグループと比べて、直腸がんのリスクが最大62%低下した」
という結果が出ています。

別の研究結果では、地中海食を続けることで認知機能の低下が抑制され、認知症の予防につながる可能性も示されています。

地中海食は糖尿病の予防効果も期待できます。
実際に米国糖尿病学会では、地中海食を糖尿病の食事療法の一つとして推奨しています。

地中海式和食のすすめ

地中海食が体によいとは言っても、パエリアやカルパッチョを自宅で作る人は少ないと思います。
その必要はなく、この記事で紹介した食材を現在の食事に組み込むことが大切です。

上の本、『地中海式和食のすすめ』では、伝統的な和食をベースに、地中海食のすぐれた点を取り入れた地中海式和食を推奨しています。

伝統的な和食と地中海食は、魚や野菜など、元々使用する食材が多く重なります。
そこにオリーブオイルやナッツなど、地中海食の特長を組み込んだ合体食がベストに近い食事だと考えます。

まとめ

地中海食でもっとも頻繁に使われる食材、ほぼ毎日摂取していると思われる食材は、
果物
野菜
豆類
ナッツ
精白されていない穀物
チーズ・ヨーグルト
オリーブオイル

の7つです。

食物繊維や抗酸化物質、マグネシウム、乳酸菌が豊富なのが特徴です。 

地中海食で週に数回くらい食べている食材は、

鶏肉
玉子
スイーツ
ワイン

の5つです。

地中海食では、
「飽和脂肪酸を含む肉類よりもEPAを含む魚」を
「牛肉豚肉よりも飽和脂肪酸が少ない鶏肉」
を推奨しています。

地中海食で予防が期待できる疾病に、
糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、乳がん、
大腸(直腸)がん、認知症

などがあります。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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