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【タンパク質の本当の必要量】をあらためて解説します

一昨日公開した記事の中で、タンパク質の1日の必要量は、体重の1000分の1(+20%)で、この、「+20%」が大切だと記しました。

そこで今回は、タンパク質の本当の必要摂取量、そして、その必要摂取量を満たすためのポイントは何か、ということをあらためて解説します。

タンパク質の[推奨量]は?

厚生労働省「日本人の食事摂取基準 (2020年版)」です。
[推奨量]を見ると、1日のたんぱく質摂取量として成人の男性で65g、女性で50gを推奨しています。

ただ、こういう分け方(男性〜、女性〜)は、今のジェンダー平等の考え方からすると少しおかしいですけど。
実際には体重の軽い男性、体重の大きい女性もいますので。

けれど厚労省が公表しているデータですので、その問題は一旦横に置いておきます。
とりあえず、ここでは女性の平均体重が50kg、男性の平均体重が65kgと厚労省は言いたいわけなのでしょう。

それを前提にすると、タンパク質の必要摂取量(推奨量)は、多くの書籍やネット記事などと同様に、体重の1000/1ということになります。
体重50kgの場合は1日50g、体重65kgの場合は1日65gです。

ただし、この体重の1000/1は最低ラインであって「タンパク質が不足はしていない」という量に過ぎません。
決して「高い健康レベルを維持できる」のに十分という量ではないのです。

タンパク質の[目標量]は?

先ほどの厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、「生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量」として、たんぱく質の摂取目標量も設定しています([目標量]の欄を参照)。

その摂取目標量は、総摂取エネルギー(総摂取カロリー)の13~20%。
これをタンパク質で賄うという意味です。

身体活動レベルが普通の50代女性なら、62~95gと、推奨量(50kg)の1.2~2倍近くにもなります。
この1、2の 0、2 の部分が、冒頭に書いた「+20%」に当たります。

だったら「推奨量でなくて目標量を全面に出せよ〜」と、私は言いたいワケです。
実際には「推奨量を摂ればよい」と思っている人が多いので。

人によって幅がある

推奨量の1.2~2倍という大きな開きの理由は何かというと、おもに運動量の違いです。

運動量の多い人は、それだけ筋肉が壊れていくので、その修復の材料としてタンパク質が必要になります。
推奨量の「2倍」はアスリートレベルです。

逆に、ジムに通ったり激しい運動はしない。肉体労働に従事してもいない、という人は推奨量の1、2倍でOKです。

ですから、運動量の多くない人でも、体重の1000分の1+20%くらい摂ってほしいのです。
この場合、体重50kgの場合は1日60g、体重65kgの場合は1日78gになります。 

この、タンパク質1日60gとか1日78gは高いハードルなのか、低いハードルなのかということですが、決して低くはありません。 

ハードルは結構高い

まず、タンパク質が多く含まれる食品を見てください(5大食品)。

そして、おもな食品のタンパク質含有量は、以下の通りです。

これを基に、僭越ですが私の例で説明します。

私の体重は65kgです。目標量は「+20%」で計算して78g。
先ほどの典型的な男性の例になります。

毎日、卵を平均で4つ。これで約25g、タンパク質を摂取できます。
私にとって玉子は、タンパク質の「稼ぎ頭」です。

大豆食品は、豆腐か納豆で約9g。
時々煮豆などを食べるので、1日10gとしておきます。

ここまで卵25g+大豆食品10g=約35g。

次に、肉と魚になりますが、感覚的に言うと1日20gくらいでしょうか。
ここまでを計算すると、先程の35gと合わせて55gになります。

ここにご飯、パン、麺類などの穀物、芋類、野菜、果物などに含まれているタンパク質が加わります。
とても正確には計測できませんので大雑把ですが、15〜20gは摂っているはずです。

これを先ほどの55gに足し合わせると70〜75g。
私の体重は65kg。必要摂取量は78g。

これだけ摂っているつもりでも、理論上は足りていないんです。

この体重1000分の1「+20%」は、毎日かなり意識してタンパク質を摂らなければクリアできない、ということをまず理解してください。

消化してナンボの世界

そのうえで、この摂取量をクリアするための、重要なヒントをお伝えします。

かりに体重50kgの人が50gの摂取であったとしても、その50g全部が消化吸収されるのであれば、じつは問題はないのです。
それで十分です。

ただ実際は、口から入れたタンパク質が全部消化されるということはあり得ません。

図を見てください。

この図では、70gタンパク質を口から入れて、その内55gが吸収(消化)15gが未吸収です。
吸収率は55÷70=0、7857… 79%、約80%です。

私の感覚としては、8割も消化していない気がするのですが、とりあえず8割が消化、2割は未消化。
だから+20%が必要になる、という考え方もできます。

栄養は消化してこそ栄養素。
消化してナンボの世界です。

言いたいことは、消化吸収を高めることができれば、食べた量が同じでも多くのタンパク質を摂取したことになる、ということです。

8割の吸収率を少しでも上げる、2割の未吸収率を少しでも下げる。
そのことによって、タンパク質を充足させるハードルが低くなります。

タンパク質は入れる(食べる)ことも大切ですが、消化させることも同じくらい大切です。
この消化を考えた食べ方については、一昨日公開した記事をご覧になってください。

まとめ

タンパク質必要量は、厚生労働省の[推奨量]では、1日に成人の男性で65g、女性で50gとなっています。
つまり体重の1000/1ということです。

ただ、この体重の1000/1は最低ラインであって、「タンパク質が不足はしていない」という量に過ぎません。
決して「高い健康レベルを維持できる」のに十分という量ではありません。

[推奨量]ではなく、[目標量]は推奨量の1.2~2倍です。
この場合、体重50kgの場合は1日60g、体重65kgの場合は1日78gになります。

このタンパク質1日60gとか78gは、決して低いハードルではありません。

これをクリアするために、まずタンパク質が多く含まれる5大食品を中心にしっかり食べることから始めてください。

同時に、より消化吸収を高めることにも着目することが大切です。
とにかく、できるこれから始めてください。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。

※上の動画では、私の事例(当時)にヨーグルト5gが含まれていますが、その後、考えが変わってやめています。

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